日本の内閣府の調査で、「中国に親しみを感じない」と答えた日本人が8割を超えた。昨年来の中国の経済失速や、今夏の釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題もあり、日本人の中国離れが進む。そんな中でもあえて中国に飛び込み、現地に住み、ビジネスに賭ける日本人たちがいる。一体、なぜ彼らは中国を選ぶのか。
三洋電機に務めていた福田明則さん(53)は、中国の携帯電話事業で5年働いていたが、企業の経営不振で所属していた事業が京セラに売却された。福田さんは2008年の夏に辞職し、再び中国に賭ける道を選んだ。知り合いを頼りに、得意の家電関連の職をすぐに得た福田さんは「やっぱり中国はチャンスの大きい、夢をつかめる国だ。チャンスが来るたびに興奮する。この感覚は今の日本のサラリーマンでは体験できない」と話した。
「私がまさか、中国でこんなに長く働くなんて夢にも思わなかった」駐在8年目になる中国の大手通信企業に勤める近藤明さん(=仮名、48)は、地元九州のIT企業でシステムエンジニアだった。2日間の徹夜で倒れ、1年間の自宅療養の後、会社から「戦力外通告」を受けた。
中国にいた日本人の友人から声がかかり、1年間だけ手を貸してくれないかと誘われた。40歳近く、中国語もできない近藤さんだが、訪中を決めた。近藤さんは「もうあの死ぬほどつらかった日本のサラリーマン時代を思い出したくない。それに、中国人の経営トップは失敗することも多いが、日本人とは違い物事を決めるのがとにかく速い。決めてくれる分、現場にいる我々社員の負担は断然減る。私はもう、日本に帰りたいと思わなくなった」と語った。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年9月6日