20カ国・地域首脳会議(G20サミット)が4日、杭州市で開幕した。この世界経済を議論する最高クラスの会議を中国が開くのは初めてで、日本の主流メディアから注目を集めた。
NHKなどはサミットの開幕式、習近平国家主席の開幕の言葉などに密着し、ニュースを伝えた。習主席の「世界経済は全体的に回復の流れを維持しているが、成長の原動力の不足、需要の不振、金融市場の変動、国際貿易・投資の低迷といった多くのリスクと課題に直面している」という正確な判断を重点的に取り上げた。また「金融安定維持」「より全面的なマクロ経済政策を採用し、効果的な各種経済ツールを使い、財政・金融・構造改革を総合的に推進し、経済成長の基礎を固める」「貿易と投資の自由化・利便化を促進し、保護主義に明確に反対し、世界経済の表面的・根本的な難題を解消する」など、習主席が世界経済に出した処方箋についても取り上げた。NHKは特に、習主席が「世界各国、特に発展途上国の声に十分に耳を傾けることで、G20の取り組みをより包括的にする」と強調し、中国の「最大の発展途上国」としての責任をアピールし、G20以外の発展途上国の経済発展への関心を強調したと報じた。
5日付の朝日新聞、読売新聞、日本経済新聞、毎日新聞は一面を大きく割き、習主席のサミット初日の状況に焦点を絞った。これには習主席の開幕の言葉の主な内容、サミットの議論の状況のほか、「首脳共同声明」に盛り込まれる数多くの成果が含まれた。
朝日新聞は「G20、経済政策総動員促す」と題した記事の中で「各国は、 成長の鈍化がみえる世界経済を支えるため、あらゆる政策を個別または総合的に動員する方針を再確認する。欧米などで自国を守るため自由貿易に反発する保護主義的な風潮が広がっており、対抗姿勢もはっきり示す」と報じた。