世界的に有名なSF作家の藤井氏は、SF作品に対して独自の評価基準を持つ。藤井氏は、ロジックはSF作品の命であり、綿密なロジックは優秀SF作品の共通点だとしている。これと比べると、専門知識は想像されるほど重要ではない。特にインターネットの発展により、人々は専門的な情報を簡単に調べ、入手できるようになった。さらにはハーバード大学やスタンフォード大学など有名校の無料授業を、オンラインで受講できるようになった。専門知識と経歴はもはや創作の妨げになっておらず、誰もがSF作家になれる時代になった。
藤井氏は日本のSF作品の特徴と発展の動向について「日本のSF作品はバラエティー豊かだ。日本語の多元性と日本人作家の感受性が、日本のSF作品の創作の源泉になっている。日本のSF界で近年最大の特徴となっているのは、新人の輩出だ。新人を発掘するため、創元社と早川書房はSF作品コンクールに力を入れ、創元SF短編賞とハヤカワSFコンテストを開催している。これらのコンテストにより、多くの才能ある新人が文壇に進出している」と紹介した。
科学技術の発展により、昔のSF作品に登場した設定が今や現実化され、生活に広く普及している。藤井氏は、米コンピュータ科学者のアラン・ケイによる、「未来予想の最良の手段は、これを創造することだ」という言葉に非常に賛同しているという。SF作品により未来を予想するのは非常に困難だ。しかし人の思考を促すという点を見ると、科学技術の進歩のインスピレーションはSFから得られる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年9月16日