日銀の政策ツール、残すところあとわずか

日銀の政策ツール、残すところあとわずか。

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発信時間: 2016-09-23 16:01:56 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

日銀の金融政策決定会合(計2日)が21日に終了し、最新の金融緩和策を導入すると発表した。現在のマイナス金利政策を維持し、10年物国債利回りを0%程度に誘導し、2%の物価安定目標を実現する。この結果は日本の経済界と国際金融市場にサプライズをもたらさなかった。日銀が使用できる金融政策ツールが、もはやほとんど残されていないからだ。

安倍政権発足以来、日本は異次元の量的緩和策を3年半続けてきたが、2年で2%という物価目標の達成時期が何度も先延ばしにされ、現在も実現されていない。黒田東彦氏は2013年春に日銀総裁に就任すると、量的緩和策を打ち出した。日本経済は2014年上半期にデフレから脱却し、物価が1%以上も上昇した。しかし2014年4月の消費増税、特に今年2月からのマイナス金利政策により、日本のデフレが激化した。日銀は失敗の理由について、国際原油価格の下落、消費増税、世界経済の減速とまとめた。日銀の今回の决定は、日本の金融政策が量的緩和重視から金利調整重視に移ったことを示している。この新たな政策枠組みには、▽長短金利操作付き量的・質的金融緩和の導入▽長期金利を0%ほどに誘導、国債購入を継続▽金融機関が保有する日本銀行当座預金にマイナス0.1%の金利を適用▽上場投資信託(ETF)とREIT(不動産投資信託)の買い入れ規模を維持。▽物価が2%に上昇・安定するまで金融緩和策を維持――といった内容が含まれる。日銀は事実上、物価2%という目標の達成時期を放棄したと分析されている。

日銀のこの政策の調整には、いくつかの考えがある。まず日銀は毎年80兆円規模の国債購入を継続しており、国債の3分の1以上を把握している。今後購入できる国債は減少していく見通しで、この市場への資金注入ルートが狭まっている。そのため長期金利の調節による金融緩和に転じた。次に全面的なマイナス金利政策により長期金利が過度に低下し、地方銀行、保険・証券、年金機構などの金融業界の資金繰りが困難になっている。これが長期化すればより厳しい状況になり、日本経済に副作用を及ぼすことが懸念される。

日銀の新たな政策枠組みについて、日本社会はさまざまな反応を示している。石原伸晃経済財政担当大臣は、日銀のこの政策を積極的に評価し、日銀と市場の対話が非常に重要であり、真剣かつ十分な説明が必要だと指摘した。金融市場は最も敏感な反応を示している。日経平均株価は21日昼から全面高になり、一時319円高となった。うち銀行関連銘柄は7%高、保険関連銘柄は5.5%高、証券関連銘柄は4.4%高。しかしこの政策の効果を疑問視する専門家もいる。三井住友信託銀行の専門家である瀬良礼子氏は「この政策は意味不明だ。日銀が各種手段を講じざるをえないほど、日本の金融情勢が深刻化したということか」と述べた。日銀元政策委員会委員、キヤノングローバル戦略研究所特別顧問の須田美矢子氏も「この金融政策の実体経済への影響は非常に限定的だ」と指摘した。

この政策は日本国民の生活にプラスとマイナスの影響を及ぼす。これまでマイナス金利により一部の保険商品の売れ行きが低迷しており、一部の資産運用目的の保険商品の収益率が低下し、年金機構の資金繰りが悪化していた。これらの苦しい状況はやや改善される見通しだが、住民の住宅などの長期ローンの金利が引き上げられ、生活の圧力が拡大する恐れもある。

さらに重要なのは、アベノミクスが金融緩和策と財政投入に過度に依存し日本経済を支えてきたが、経済の構造改革と革新の不足により、日本経済がいつまで苦境から脱却できていないことだ。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2016年9月23日

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