中国の総理がキューバ訪問を開始した時、日本の安倍晋三首相のキューバ訪問日程が終了した。安倍首相は22日、キューバの共産党機関紙グランマのインタビューを受けた際に、日本・キューバ関係の新たなページをめくると表明した。日本は東南アジアからアフリカに至るまで、さまざまな事を巡り中国をライバル視している。この相次ぐ訪問日程は、多くの想像の余地を残している。安倍首相は訪問前に、キューバの対日債務のほぼすべてを免除することを、キューバ訪問の大きな手土産にした。しかし多くのメディアは、キューバは中国とより親密と見ている。BBCは「安倍首相の訪問前に、手土産が到着した。安倍首相のキューバ訪問2日前、日本は前代未聞の大きな手土産を発表した。キューバが抱える対日債務約1800億円のうち3分の2を免除し、615億円を今後18年間で返済させるという」と報じた。
安倍首相の苦心は無駄ではなかったようだ。キューバの前指導者、フィデル・カストロ氏は現地時間22日夜、安倍首相と70分間会談した。ロイター通信によると、フィデル・カストロ氏が西側諸国の首脳と会談するのは珍しく、通常は親密な盟友としか会談しないという。
安倍首相とラウル・カストロ国家評議会議長は23日に会談した際に、日本がキューバへの投資を拡大することで合意した。両国首脳は日本による投資プロジェクトについて議論するため、11月に東京で官民合同会議を開くことで一致した。安倍首相はさらに、国際協力機構の現地事務所を開設することを検討するとした。両国は会談後、日本が医療協力としてキューバに約13億円の無償資金協力を実施することを発表した。
23日付日本経済新聞によると、日本は1970年代に、キューバにとって西側諸国中最大の貿易相手国だったが、両国関係はその後冷え込んだ。米国とキューバの関係改善に伴い、日本は希望を目にしている。安倍首相はこのチャンスを利用し、日本企業の対キューバ投資を加速しようとしている。
安倍首相には他にも、朝鮮と中国という標的があると分析されている。共同通信によると、安倍首相はキューバが朝鮮の友好国であることを鑑み、朝鮮の核問題および日本人拉致事件の解決に向け、キューバに協力を依頼した。日本メディアは23日、安倍政権は朝鮮包囲網を構築するため、朝鮮との外交関係を持つ国に働きかける必要があると認識していると報じた。フィデル・カストロ氏はこの話題について言及した際に、朝鮮の核問題は対話により平和的に解決されるべきだと述べた。
テレビ朝日は23日、安倍首相のキューバ訪問のもう一つの目的は、中南米で影響力を急速に強める中国への対抗だと報じた。香港紙・南華早報は、中日の総理が相次いでキューバを訪問し、両国の東南アジアとアフリカにおける競争を想起させると論じた。中国と日本はインドネシアやタイで高速鉄道プロジェクトの受注をめぐり争っている。日本が開催するアフリカ開発会議は、中国の中国・アフリカ協力フォーラムを念頭に置いているとされている。NHKは23日、安倍首相がラウル・カストロ議長と会談中に、中国の行動を念頭に置き「東中国海と南中国海で一方的に現状を変えようとする行為を強く懸念する」と述べたと報じた。ラウル・カストロ議長はこれについて「いかなる紛争であっても、平和的な解決が重要だ」と表明した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年9月26日