報道の独立性と自主性を失ったNHK、次の会長は？
報道の独立性と自主性を失ったNHK、次の会長は？。
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「慰安婦はどの国にもある」といった右翼的な発言で有名なNHKの籾井勝人会長は来年1月、任期満了を迎える。日本各界の有識者100人以上が31日、NHK経営委員会に請願書を提出し、籾井氏を会長に再任しないよう求めた。
籾井氏が会長に就任すると、NHKの報道の独立性と自主性が大きく損なわれた。日本人からは、安倍晋三首相の言いなりになる「安倍チャンネル」と皮肉られるほどだ。アナリストは、「安倍氏のお友達」がNHK経営委員会を支配しており、籾井氏が再任されなくても、次の会長も「安倍派」になると指摘した。この国営メディアは、右翼勢力の「スピーカー」として落ちぶれ続けることになる。
【再任に反対】
請願書を提出した後に開かれた記者会見で、隅井孝雄日本ジャーナリスト会議代表委員は「籾井氏が会長になってからの3年間は、NHKにとって最悪の時期だった」と述べた。服部孝章立教大学名誉教授は、NHKが会長を選出する際に「議事録さえつけなかった」と批判し、制度の透明化を訴えた。
この大学教授や元NHK経営委員ら17人が呼びかけ人となり、弁護士や映画監督など87人の賛同を集めた請願書は、籾井氏が物議を醸した発言を列挙した。籾井氏が「不偏不党」の精神を貫いておらず、NHK会長の資格を持たないと批判し、会長選考過程をオープンにし、ふさわしい人物を選ぶよう求めた。
安倍政権は2013年末に経営委員4人の入れ替えを行い、籾井氏の会長就任の地ならしをした。翌年1月25日、籾井氏は就任記者会見で右翼的な発言をし、「靖国参拝は安倍首相の信念に基づく行為」「慰安婦はどの国にもある」と発言し、NHKがその後安倍首相の「棒読み」をする基調を整えた。籾井氏はその後、一連の人事的手段により意見の異なる人物を排除した。これによりNHKは特定秘密保護法などの重要問題で、明らかに右寄りな報道をした。
【変えがたい体質】
NHK会長の任期は3年で、籾井氏は来年1月で任期満了となる。日本メディアは現在のNHK経営委員会の人員構成をまとめ、籾井氏が再任するか否かに関わらず、次の会長も「安倍派」であると指摘した。
JR九州の石原進相談役が今年6月28日、NHK経営委員長に就任した。石原氏は2010年に経営委員に就任し、3年前に籾井氏を会長に強く推し、首相官邸とコネを持っている。日刊ゲンダイは政府筋の話として、「石原氏が特に親しいのは麻生太郎財務相といわれている。弟の麻生泰氏（九州観光推進機構の会長）を力強く支えているのが石原氏だ」と報じた。
NHKに詳しいジャーナリストの小田桐誠氏は「委員長は企業のCEOにあたり、NHK会長の選出などで主導的な役割を果たす。どちらに転ぶにせよ、石原氏が官邸の意をくんで動くのは間違いない。籾井会長のようにあからさまに政権の言いなりになるのではなく、空気を読み、阿吽の呼吸で立ち回ることができる人物だ」と話した。
石原氏の他に、日本で「極右」として知られる哲学者の長谷川三千子氏、安倍首相の財界シンクタンクが推薦する中島尚正氏、安倍首相の学生時代の家庭教師の本田勝彦氏らが、経営委員に加わっている。
日刊ゲンダイは「籾井氏は2期目に強い意欲を見せているが、官邸はすでに次の候補を見据えているようだ。日本たばこ産業顧問、安倍首相の元家庭教師で、安倍首相と親交の深い本田勝彦氏だ。昨年3月からは経営委員長を補佐する委員長職代行を務めている」と分析した。
日刊ゲンダイは「石原進経営委員長－本田勝彦会長の体制が出来上がれば、NHKは客観的でバランスのとれた立場を維持できなくなる」と指摘した。
「中国網日本語版（チャイナネット）」 2016年11月4日
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