日本の権威ある総合文芸誌「ダ・ヴィンチ」が毎年発表する「好きな作家ランキング男性編」の上位3位の顔ぶれは、2005年から2015年まで、決まって伊坂幸太郎氏、村上春樹氏、東野圭吾氏だった。「日本文学の未来を背負うキーパーソン」と同業者から賞賛されている伊坂幸太郎氏の作品の中でもファンから「最も熱く最も面白い」とされる長編小説「ゴールデンスランバー」の中国語版がこのほどThinkingdom Mediaグループによって出版される。
純文学?推理小説?型破りで独創的な発想の日本文壇の奇才
伊坂幸太郎氏は2000年、「オーデュボンの祈り」でデビューして以来、これまでに30作以上の小説を生み出している。伊坂幸太郎氏と東野圭吾氏は共に売れっ子作家としてしばしばその作品を比較される。また伊坂氏は多くの推理大賞を獲得していることから、一部メディアや読者は彼を推理作家とみなしがちだ。
しかし、伊坂氏の作品の内容と構成は、ジャンルという枠であてはめきれるものではない。事実、伊坂氏の作品の大半は実際のところ事件や推理とは全くの関係なく、その人や世界、運命に着目している作品がほとんどだ。
過去に行われた東野圭吾氏との対談でも、伊坂氏は「キャラクターやトリックなど他の部分で読者にサービスしても、文章だけは自分のやりたいようにやろうと決めている」と話している。