日本側が発表した日程によると、プーチン大統領は15−16日に訪日する。最初の目的地は安倍首相の実家、山口県長門市だ。安倍首相は先ほど、日本の伝統的な温泉旅館でプーチン大統領をもてなす用意があると話していた。安倍首相は「温泉外交」の他に、柔道を好むプーチン大統領のために東京の講道館を案内する。これほど苦心惨憺しているのは、プーチン大統領の領土問題に関する態度を軟化させるためだ。
しかしロシアはその手には乗らないようだ。プーチン大統領は訪日前、日本メディアのインタビューに応じた際に、露日に領土問題は存在せず、日本側が一方的にあると考えていると述べた。ロシア科学アカデミー極東支部の専門家は、日本は今回の訪問に過度に期待する必要はないと指摘した。安倍首相はこれまで、今回の訪問により領土問題の解決を促進すると度々表明し、日本人を喜ばせていた。しかしプーチン大統領のこの発言は、間違いなく安倍首相をきまり悪くするだろう。プーチン大統領は、今回の訪問は主に経済問題の議論が目的だと強調した。
ロシア外務省の高官は日本メディアに対して、プーチン大統領が今回の訪日で、日本側と共同声明を発表することはないと明かした。安倍首相が2013年4月に訪露した際に、両国は共同声明を発表した。しかし日本がその後、ウクライナ問題で西側の対露経済制裁に加わったことから、両国の対話が凍結した。共同声明は履行できない状態となったため、新たな声明を発表する必要がなくなった。中国の日本情報サイト「日本新聞網」によると、プーチン大統領の今回の訪日は、日本政府が3年間働きかけたことで実現した重要な訪問であり、声明を発表しないということは両国が今回の訪問と会談の成果にそれほど期待していないことを意味する。
プーチン大統領は日本メディアのインタビューに応じた際に、西側諸国の対露制裁が露日関係の正常化を妨げたと表明した。さらにプーチン大統領は何度も中国との関係について言及し、「露中は領土問題を解決した。互いに譲歩し、ある意義での妥協をしたが、これは友好国間の妥協だ」と述べた。日本の記者はその後、「露日間はまだその程度に達していないと思われるか」と質問した。プーチン大統領は「先ほど述べたように、我々と中国の間には最高水準の二国間関係と、開放化が進む貿易関係がある。日本は現在、我々に経済制裁を行っている」と回答した。日本の記者はさらに中国に言及し、「年次教書演説で外国に言及した際に、真っ先に中国について言及されたが、大統領にとってロシアの真の中心的なパートナーは中国であると認識しても間違いはないか」と質問した。「当然だ」「本当にそうなのですか」「もちろんそうだ……わが国と中国は真の友好を樹立したと、満足して言うことができる。多くの重要な分野において、両国関係は誇張抜きで、戦略的性質を持つ」
イタルタス通信によると、ロシア国立高等経済学院東洋学教育研究室長は「これは露日が大幅に歩み寄ったとはいえ、両国の政治的相互信頼水準が高くないと、日本側にほのめかしている。実際には、プーチン大統領は日本に見本を示した」と述べた。共同通信は、プーチン大統領が日露関係に冷水を浴びせ、「率直な対話」を前提に「歴史的決断」を下すよう迫る安倍首相の構想を乱しており、日本政府内には失望ムードが漂っていると論じた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年12月15日