安倍首相の2016年:世界各地を奔走 実績には疑念も

安倍首相の2016年:世界各地を奔走 実績には疑念も。 国内の熱気を失った内政に取り組むよりも、外交に精力を投入して国際舞台に立った方が世界の注目を浴びることができる。安倍首相はこれまでずっと、外交活動で世界の関心を集め続けてきた…

タグ: 安倍 中日関係 外交 トランプ

発信時間: 2016-12-22 17:02:44 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

国内の熱気を失った内政に取り組むよりも、外交に精力を投入して国際舞台に立った方が世界の注目を浴びることができる。安倍首相はこれまでずっと、外交活動で世界の関心を集め続けてきた。(文:李若愚・中国社会科学院日本研究所政治研究室研究者)

第二次安倍政権の発足後、安倍首相は「地球儀を俯瞰する外交」という戦略を打ち出し、2015年11月27日までに62カ国・地域を訪れた。2016年に入っても、安倍首相はますますその取り組みに拍車をかけ、世界各地を引き続き駆け巡っただけでなく、重量級の客人を何人も日本に招き、いくつもの「初めて」を達成してきた。安倍首相は来年1月27日前後、つまりトランプ氏が米国の大統領に正式に就任してから1週間前後で米国を訪れるとの計画もある。そうなれば安倍首相は、トランプ大統領の就任式後初めて訪米する外国の指導者となる。

安倍首相は苦労をいとわずに世界各地を駆け巡り、関心を集めるという点では確かに大きな成果を上げてきた。だがその実績から安倍首相の2016年の外交上の収獲を考えると、評判が高いばかりで効果はあまりなかったのではないかとの疑念が浮かぶ。安倍首相は、原子爆弾の犠牲者に哀悼を示すためのオバマ大統領の広島訪問の実現に成功した。だがオバマ大統領はスピーチで、「非核」の理念を語っただけで、日本への謝罪の問題に触れることはなかった。プーチン大統領が安倍首相の故郷で安倍首相と語ったのは、ロシア側が関心を持つ両国の経済協力についてであり、両国の領土問題は首脳会談で話題にならなかったとの報道もある。日本側が関心を寄せる北方領土問題では、安倍首相はどちらにせよ、進展を実現することはでいなかった。安倍首相がトランプ氏に大急ぎで会ったのは、米大統領選前にほかの多くの人と同様、ヒラリー候補が勝つと考えて動いていため、その失敗を埋め合わせ、トランプ氏の対日政策に探りを入れるためだった。安倍首相がトランプ氏の対日政策を正しく読むことができたかは判断し難いが、当選後のトランプ氏は米国のTPPからの撤退を再度明言しており、国内でTPP推進に尽力して来た安倍首相にとっては大きなダメージとなった。

中日関係については、中国社会科学院の呉懐中教授がその文章の中で正しくもこう指摘している。「安倍首相の誠意と高みを欠いた態度と、中国の包囲と牽制を推し進めるその外交は、これまでと同じ『二枚舌』だ」。このような方針に指導されていたのでは、中日関係の根本的な改善は不可能だ。

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