日本の安倍晋三首相は26−27日に米ハワイを訪れ、米国のオバマ大統領と共に真珠湾を訪問し、戦没者を慰霊する。この情報はメディアから注目された。
このホットな話題をめぐり、記者は中国国際問題研究院アジア太平洋研究所の宋均営副所長、外交学院の周永生教授のインタビューを行い、安倍首相の今回の訪問の目的などについて分析してもらった。
目的は「米日同盟」の強化
外交学院の周永生教授は「安倍首相の真珠湾訪問は、返礼の旅と見ることができる。安倍首相が広島に訪問した時に、オバマ大統領はその顔を立てた。日本国内でも外交の成功とされ、オバマ大統領が実際の行動により『謝罪』したと判断された。オバマ大統領が広島を訪問できるのだから、安倍首相も真珠湾を訪問する必要がある」と話した。
宋氏は「広島と真珠湾は、日米関係の歴史上、非常に重要な場所だ。第二次大戦は人道主義の大きな悲劇であり、日米という2つの参戦国がある程度の和解を実現できれば、人道主義的には非常に大きな進歩であり、積極的な意義もある」と述べた。
「トランプ次期米大統領は選挙中、米日同盟に不利な発言をした。例えば日本は負担を拡大すべきと述べ、TPP離脱を宣言した。これにより日本は米国の新大統領の政策を読めず、不安になっている。これらの発言はいずれも日本の国益に合わないため、安倍首相は今回の真珠湾訪問により米日同盟の親密な関係を強化することで、次のトランプ氏の政策をけん制しようとしている」
周氏の分析は、宋氏の観点と期せずして一致している。
周氏は記者に対して「安倍首相の今回の目的は、訪問により日米同盟の緊密さと堅固さをアピールし、トランプ氏にこの枠組みから離れないよう注意を促すことだ」と話した。
中国への見せつけ
オバマ大統領に返礼し、米日同盟を強化するほか、安倍首相の真珠湾訪問には中国の要素が含まれるだろうか。
宋氏は記者からの質問に対して「安倍首相が真珠湾を訪問し、中国の南京大虐殺紀念館に来ないことは、中日米の複雑な局面を反映している」と指摘した。
「安倍首相の今回の真珠湾訪問は、中国に見せつけている。米日関係を強化すると中国に伝え、いわゆる日本の価値観外交、日本の平和主義、戦後の平和的発展を宣伝する。そのため安倍首相の今回の真珠湾訪問には、別の狙いがあると感じる」
「中国網日本語版(チャイナネット)」2016年12月26日