米軍とタイ軍主催の多国間軍事演習「コブラゴールド」に参加する日本自衛隊は19日、在外日本人保護の訓練をタイ中部のウタパオ海軍航空基地などで実施し、一部を報道陣に公開した。日本メディアが伝えた。
これは安全保障関連法に基づくもので、海外では初めて。在外の日本人と共に退避した米国民間人を米軍やタイ軍などと連携して保護する内容も含まれた。
2013年のアルジェリア人質事件後、「自衛隊法」改正で在外日本人の陸上輸送が可能になった。昨年3月施行の安保法で、保護や輸送時の妨害を排除するための警告射撃が認められた。今回の訓練では武器使用場面は非公開だった。
訓練は、ある国で災害が発生し政局悪化したと想定。日本自衛隊は集まった在外日本人と米国人などを、高機動車で空港まで護送。在外日本人らはC-130輸送機に乗った。途中では現地住民が道路をバリケード封鎖し、通行料を要求する事態を想定した。自衛官は現地住民に、道を譲らなければ行動に出ると警告し、バケツなどで作られたバリケードを撤去した。
安保法はさらに、日本自衛隊が海外で人質にされた在外日本人を救助できると規定したが、今回の訓練内容には盛り込まれなかった。
訓練を指揮した河口弘幸訓練班長はメディアに対して「米国などの各国と協力でき、有意義な訓練だった」と話した。
陸海空自から約130人が同訓練に参加した。自衛隊は国連安保理決議に基づき、海外で武力紛争に対応する多国籍部隊に後方支援を行うことが可能だ。今回は非公開で、後方支援の机上演習を行った。いずれも安保法の枠組み内で初の訓練。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年2月20日