日米首脳会談で大いに面目を施した日本の安倍晋三首相は帰国するなり、米国のトランプ大統領に密かに「プレゼント」を贈ることを決定した。日米首脳会談に関する多くの評論と記事が掲載されるなか、かつて騒がれた沖縄米軍基地問題が一時的に熱を失った。安倍政権はこの機に、辺野古への基地移設を加速した。
米国のマティス国防長官は3日に訪日した際に、在日米軍基地問題に何度も言及した。安倍首相は自ら「辺野古移設が唯一の実行可能なプラン」と述べ、かつ着実に推進することを約束した。その後の日米首脳会談後に発表された共同声明は、この表現を繰り返した。日米政府間でいかなる変化が生じようとも、沖縄現地の政府・民間レベルの米軍基地への強い反対に変化はない。
日米が2006年に辺野古移設で正式に合意すると、この計画は10年間も「氷漬け」にされた。安倍首相の再任以来、在日米軍基地への反発は強まるばかりだった。米軍基地の建設再開には、めどが立っていない。しかし日米首脳会談が終わったばかりで、安倍政権が乗りかかった船とばかりに民意を無視していることには、いったいどのような目的があるのだろうか。
まず、在日米軍基地の問題は、長期政権運営を目指す安倍首相が一刻も早く取り払おうとする悪夢だ。同問題の変動は、日本の政局にすでに実質的な影響を及ぼしている。在日米軍が犯罪行為を重ね、日本が米国に媚びへつらっているといった悪印象が不可逆的となっている状況下、基地建設の無期限棚上げは市民の反発を強めるばかりで、支持を得る可能性はほぼゼロになる。それならば民意に背いてでも、次の衆院選前に基地建設を決めてしまおうというわけだ。
次に、米新政権に迎合し、日米同盟強化に向け地ならしをする。日米首脳会談の前に、在日米軍基地問題の早期解決は、米国側の一つの要求事項になった。日本はこれをなおざりにできない。トランプ大統領は当選後、安倍首相に日米同盟の今後を深く懸念させると暴言を吐いた。在日米軍基地問題は常に日米関係の不安定要素、米国の近年の主な関心事にもなっている。日本国内の反対を顧みず、基地移設を加速する。これは間違いなく、安倍首相のトランプ政権へのプレゼントだ。
それから、機に乗じ日本の軍事能力を強化する。日本は近年、南中国海で活発に活動しており、これにより軍事・安保能力の強化と軍拡に取り組もうとしている。沖縄の離島は、最も理想的な拠点だ。防衛省が作成した辺野古基地の設計図によると、米軍は全長1800メートルの滑走路を2本手にする。関連施設も整っており、オスプレイやF-35Bなどの最新鋭の機種も着陸できる。
現地の日本メディアによると、格納庫や軍艦停泊位置の拡大も、建設計画に盛り込まれている。後者により、ワスプ級強襲揚陸艦が停泊可能になる。辺野古基地の竣工後、付近のキャンプ・シュワブやキャンプ・ハンセンなどの米軍部隊と一体化できる。辺野古は在日米軍の作戦の最前線になろうとしており、また安倍政権の軍事化推進と練兵という現実的な需要に合致する。
沖縄米軍基地はもはや日米間の単純な食い違いではなく、日本が米国を縛り付ける場になろうとしている。安倍政権は国民の利益を犠牲にしようとしているが、願い通りになるかは未知数だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年2月22日