2011年の福島事故後、放射性セシウムを含む微粒子が関東地方の広い範囲に飛んできたことが、東京理科大学や東京大学などの共同研究チームの調査で分かった。日本地球惑星科学連合大会で発表された。日本経済新聞が伝えた。
見つかったのは直径1マイクロメートルほどのガラス状微粒子で、「セシウムボール」と呼ばれる。事故直後に茨城県つくば市で検出されたが、どのくらいの量がどこへ飛んだのかは分かっていない。
研究チームは関東各地にある大気中の粉塵を観測する装置を利用。2011年3月に使っていた粉塵フィルターを調べたところ、都内を含む5カ所で放射性微粒子が見つかった。大型放射光施設「Spring-8」で分析した結果、放射性セシウムのほか、核燃料のウランや原子炉に使われる鉄やモリブデンなどが検出された。
研究チームによると、事故当時の炉内では核燃料や容器も溶け、大気中に飛び出したとみられる。風の流れなどから、同年3月15日未明に2号機か3号機から放出された可能性が高い。事故の進展過程を知る手がかりになるほか、放射性物質の環境や健康への影響を調べる材料となるという。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年5月27日