ベストセラーになるかはタイトルが重要な要素
黒川氏はベストセラーを手掛けるために、タイトルづけに関しても並々ならぬこだわりをみせる。一言で言うとどんな本なのか、一言で複数のターゲットに突き刺さる言葉は何なのかを考え、タイトルを決めるために時間をかけてキーワードを探すという。もちろん、理性的に分析すると、そんなに多くの言葉は出てこず、最終的には感覚的な部分が大きいという。「医者に殺されない47の心得」というタイトルに関しては、「医者に殺されない」と言われると、病気で治療中の人はもちろん、健康な人の関心をも引くことができる。また、「47の心得」の「47」は、「死なない」の意で、「メディアから取材を受けた時、秘話として話すために用意した」という。取材した記者がそれを宣伝してくれることによって、さらに多くの人の関心を引くことができる。
日本の出版界で、ベストセラーを作るには、時(Time)、テーマ(Theme)、タイトル(Title)の3Tにこだわる必要がある。出版社で企画を担当する人は、市場のニーズに敏感である目が必要であるとともに、それを刊行するタイミング、つまり、人々がその本を最も必要としている時を見極めなければならない。それができれば、刊行した本はある程度の売り上げを確保できる。
「人民網日本語版」2017年6月2日