訪日中のベトナムのグエン・スアン・フック首相は6日、日本の安倍晋三首相と会談した。双方は両国の戦略的パートナーシップを強化することで合意した。両国首脳は南中国海情勢について「深刻な懸念」を表した。
ベトナムメディアは報道で南中国海に特に言及せず、また中国を名指しせず、共同声明と会談のプレスリリースの全文を報じる時だけ南中国海に触れた。また安倍首相は6日、ベトナムに対する無償資金協力と円借款に関する書簡の調印式に出席した。日本はベトナムに1003億円の円借款と、29億円以上の無償資金を提供する。
中国社会科学院日本研究所の学者である盧昊氏は「日本はベトナムとの『攻守同盟』を重視し、南中国海の域外勢力として南中国海問題の『国際化』を積極的に推進し、いわゆる『海洋の法の支配』を構築しようとしている。これには中国けん制という明らかな狙いがある。大国との間でバランスをとる外交を進め、南中国海で中国との間に主権問題を抱えるベトナムは、日本との関係を強化し南中国海問題の『戦略協力』を展開することで、中国の影響力を相殺しようとしているようだ。しかし米国の地域戦略は調整期間にあり、かつ中国の地域における経済・政治的影響力が拡大するなか、日本もベトナムも中国との関係を急激に悪化させるつもりはない。中国との協力を含め、柔軟な姿勢を維持しようとしている」と分析した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2017年6月7日