4カ国対話に隠された傲慢、誰の助けになるのか

4カ国対話に隠された傲慢、誰の助けになるのか。

タグ:価値観外交 安倍晋三

発信時間:2017-10-30 13:20:24 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 日本の河野太郎外相は先ほど、日米豪印4カ国の首脳でつくる戦略対話の実現を目指す考えを示した。メディアの報道によると、安倍晋三首相は訪日を予定しているトランプ大統領に、本件について確認を取る予定だ。河野外相の発言から間もなく、米国の南・中央アジア担当国務次官補代理(以下、同氏)は積極的な姿勢を示し、「米国は作業クラスの4カ国会談の準備を進めており、4カ国の安全協力を深める」と述べた。

 

 同氏はこの枠組みが中国を念頭に置くことを否定したが、米高官の最近の発言には疑問を抱かざるを得ない。同氏は「この枠組はインフラ整備と経済発展を目指す国のために代替案を模索する。これには略奪的な投資もしくは持続不可能な債務が含まれない」と述べた。これはティラーソン国務長官が先ほど、中国の対外インフラ投資は「経済圧縮」と発言したことと呼応している。日本メディアも分析の中で「河野外相はアジアの高品質インフラ投資を推進すると強調したが、貿易ルール制定の主導権を握り、潤沢な資金を持つ中国に対抗しようとしているようだ。4カ国が共同推進する自由貿易は、『一帯一路』(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)構想を打ち出した中国と対立することになる」と指摘したほどだ。

 

 4カ国の戦略対話は政治的に、いわゆる「価値観」を基礎としている。安倍首相は10年前にこの構想を打ち出し、「価値観外交」により大義名分を与えようとした。これは安倍首相の中国に対する、価値観をめぐる優越感を示している。そのため一部メディアはこれを、アジア版「小NATO」と称した。同氏も今回、この構想の狙いは同じ価値観を持つ国が集まり、世界的な枠組みを強化することと発言した。米国の一部では、日本が価値観に根ざし打ち出した戦略協力の構想が評価されているようだ。この構想は冷戦を懐かしむ人々の心の需要を満たすのだろう。

 

 投資と貿易は本来、世界経済発展を促進する主な手段だ。米日豪印が心を一つにし協力し、インド洋・太平洋諸国のインフラ整備と経済発展を本当に支持するならば、中国は当然ながら拍手し歓迎する。しかし経済発展問題に無理に価値観をこじつけようとし、戦略協力に傲慢と偏見、嫉妬と敵視を深く隠すならば、インド洋・太平洋地域に安定的かつ前向きな影響をもたらすことはない。ましてや財政面で逼迫している米国、債務が膨らむ日本、中国経済の発展の快速列車に便乗しようとしている豪州、いつになれば先進国の仲間入りを果たせるか不明なインドには、実質的な公共財を提供する余力があまり残されてないだろう。

 

 地政学的競争及び価値観の傲慢と偏見は、米日の政治・経済の戦略的構想を左右する考えになっているようだ。安倍首相は昨年、「自由で開かれたインド・太平洋戦略」を打ち出し、オバマ大統領は「アジア太平洋リバランス」や「TPP」などの構想を打ち出した。その多くが、中国けん制という目的を持っている。彼らがこのような発想にしがみつき、後ろめたい役割を演じるならば、千載一遇の好機を逃し、この偉大なる時代を台無しにすることになる。(筆者:廉徳瑰上海外国語大学日本文化経済学院教授、博士指導教員)


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年10月30日


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