日本の改憲勢力、拡大に要警戒

日本の改憲勢力、拡大に要警戒。

タグ:護憲政党 改憲 選挙 衆院選 一強

発信時間:2017-10-30 10:13:42 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 日本の与党・自民党は22日の第48回衆院選で勝利を収め、「一強」の局面を維持した。今回の総選挙による最大の変化は野党の分散化で、日本の改憲勢力が大集合した。選挙前に発足した希望の党は、最大野党の民進党を分裂させ、自民党と日本維新の会に呼応する新たな改憲勢力になった。民進党から分裂し生まれた立憲民主党は辛うじて最大野党になったが、日本共産党や社民党などその他の護憲政党は振るわず、日本の改憲勢力を効果的に制御できなくなった。

 

 選挙後、立憲民主党、希望の党などは、国政選挙の総括と内部調整の段階に入った。立憲民主党は将来的に安倍政権に対抗するため、旧民進党出身の無党派議員、民進党に留まった参院議員に号令をかけ、護憲統一会派を組むことで、希望の党と最大野党の位置を争おうとしている。しかし旧民進党を中心とする無党派議員は別に勢力を形成しようとしており、立憲民主党が野党再編の構想を実現するにはさらに努力が必要だ。

 

 改憲に賛成する希望の党は目標を達成できず、党内からも小池代表への不満の声が出ている。また民進党の参院議員も、希望の党への加入を拒否している。しかし小池氏はメディアに対して、党発足の責任を果たすため代表を続けることを検討していると話した。希望の党が「9条を含む改憲の議論を推進する」ことを選挙公約として掲げたため、日本政治の右傾化を大幅に強めることになる。

 

 選挙後の改憲勢力の拡大に警戒が必要だ。自民党の大勝後、安倍首相は直ちに改憲の選挙公約を実行に移すと表明した。「与野党を問わず、広い共通認識を形成するよう努力しなければならない」と述べ、改憲の意欲を示した。改憲を目指す安倍首相は、憲法9条に自衛隊の存在を明記するとし、改憲後の憲法を2020年に発効させると述べた。改憲勢力が改憲発議に必要な3分の2以上の議席を確保していることから、与党が国会で自由に改憲を推進するための障害が取り除かれている。

 

 共同通信は選挙後、衆院選当選議員409人のアンケート調査を分析した。うち改憲に賛成は349人で、310人を超えた。安倍首相が提案した、自衛隊を憲法9条に明記することについては63.8%が賛成。注目すべきは、自民党などの改憲勢力が立憲民主党、日本共産党、社民党の護憲の態度を無視しているが、早ければ年内にも自民党改憲案をまとめ、各党との調整に力を入れようとしていることだ。2018年の国会審議への提出を目指している。

 

 自民党が国会で「一強」という優位性を再構築し、さらに希望の党や日本維新の会などの改憲勢力の成長により、安倍政権の改憲推進の決意が固まっている。一部の日本国民と国際社会は安倍首相の改憲に疑問を持ち、戦後日本の平和主義が憲政の後ろ盾を失うことを恐れている。懸念すべきは、日本の伝統的な革新的政党及び平和主義勢力の影響力が日増しに衰え、政界全体の保守化、政治の右傾化を抑制する力を形成できていないことだ。(筆者:呂耀東 中国社会科学院日本研究所)

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年10月30日

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