トランプ氏のアジア歴訪、「インド太平洋」概念を打ち出す

トランプ氏のアジア歴訪、「インド太平洋」概念を打ち出す。「自由で開かれたインド太平洋」という概念こそが、トランプ大統領の今回のアジア歴訪で最大の見所となっている。これは9カ月以上に渡り調整を進めてきたアジア新政策が、正式に浮上したことを意味する…

タグ:太平洋 インド 戦略 防衛 対話

発信時間:2017-11-08 14:11:28 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 まずはインドを戦略全体の重要な支点とする。米国はこの数カ月に渡り、インド抱き込みに力を入れている。価値観と安全の利益により、米印関係を改善している。ティラーソン国務長官は、両国は共通の民主・価値観を持つ「天然の盟友」であると強調した。インドの安全の関心事は米国の安全の関心事であると述べ、伝統的な同盟クラスに相当する「2プラス2」の対話枠組みを構築した。次に、地域・世界レベルでインドの「大国の夢」を推進する。アフガニスタンでより大きな力を発揮することと、国連安保理常任理事国入りを支持している。それから、米印の「主要防衛パートナーシップ」を、戦略的な机上の空論から実質的な成果に変える。インドに無人機、戦闘機、空母技術の輸出を検討し、その軍事力を強化する。

 

 次に、米日豪印4カ国集団を戦略全体の主な枠組みとする。4カ国集団の構想は、安倍晋三首相が2006年に最も早く打ち出したが、米豪印の態度が消極的で10年以上に渡り棚上げされていた。最近になり日本が再びこの構想を取り上げ、米豪からある程度積極的な反応があった。またインドは米国との合同演習「マラバール」に、参加者もしくはオブザーバーとして日豪を招待したが、これも一つの探りとされている。4カ国集団が形成されれば、日本を東部の支点とし、インドを西部の支点とし、豪州を南部の支点とし、米国を中心とする菱形の安全協力枠組みが構築される。

 

 「インド太平洋」という言葉はオバマ時代にも言及されたが、トランプ大統領はこれを戦略として打ち出した。オバマ前大統領に必ず反対するという政治姿勢のほか、同地域の地政学的な環境の変化による結果と言える。トランプ大統領はTPP離脱、「米国ファースト」を重視する対外政策により、米国の東南アジアにおける求心力と発言権を失った。これによりアジア太平洋の戦略の重心を、北東アジアとインド洋に向け拡張せざるを得なくなった。またナショナリズム色が濃厚なモディ首相の就任、近年の経済高度成長、地政学的な地位の向上により、インドの外交は大国としての役割を強め、非同盟政策の特徴が弱まっている。この影響を受け、地域・世界事業に介入する願いと能力が強まっている。

 

 「インド太平洋戦略」の真の意図はアジア太平洋リバランス戦略とまったく同じで、中国けん制という目的があることに注意すべきだ。


「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年11月7日

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