歴史という概念は近年、世界を困惑させている。一部の人物は歴史を埋葬しようとし、一部の人物は歴史を人々に見せようとしている。真相を語り過去を掘り起こすことは、社会、生存者及びその家族の心の和解と平和を実現する、ただ一つの道だ。
我々はこのような目で、南京大虐殺を見直す必要がある。2017年はあの驚くべき暴行の80周年だ。大虐殺が発生し、人々の心を寒からしめる歴史の記憶を残したが、西側諸国はそのことをほとんど知らない。
日本軍は1937年12月13日に南京に侵入し、6週間にも及ぶ虐殺を開始した。少なく見積もっても、中国の非戦闘員と兵士の死亡者数は30万人を超える。放火や投降兵への謀殺・虐殺は数週間続いた。南京大虐殺は命を奪うだけでなく、女性を戦争の奴隷とした。南京が攻略されると、2万人以上の女性が強姦され、抵抗すれば殺された。
カナダの文化・教育機関は南京大虐殺の残酷な暴行を認識しているが、これは欧州の目に基づくものだ。カナダで移民が増えるに伴い、これらの機関に世界的な目を持たせる必要がある。南京大虐殺及びアジアの人々の第2次大戦における苦しみも、カナダ人に知られるべきだ。
オンタリオ州議会は10月26日、南京大虐殺記念日設立の66号決議を可決した。カナダでこのような決議が可決されるのは初めてだ。オンタリオ州の市民は今月13日、州議事堂のある公園で初めて集会を開き、南京大虐殺を認識し振り返った。
南京大虐殺80周年に際し、我々は南京大虐殺の教訓、生存者や遺族の重い負担を無視し、忘れることはできない。オンタリオ州は懐の深い土地で、正しいことを行うため指導力を発揮している。オンタリオ州は世界に対して、南京大虐殺の記念は正しいことであり、暴力反対は正しいことであると伝えている。
カナダとオンタリオ州で、我々は「多様性は我々の力」という表現を好む。多様性とは統計データではなく、人々の物語・文化・伝統だ。新しい移民が増えるに伴い、我々は彼らを広く受け入れ、その経験を理解する努力をしなければならない。こうして初めて歴史の悲劇の再演を防止できる。オンタリオ州が中心となり南京大虐殺の犠牲者と生存者を記念することができ、私は誇りに思っている。(筆者・黄素梅 オンタリオ州議会議員)
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年12月14日