穏やかな晴天となった東京で今月10日、多くの日本人が楽しい週末を過ごしていた。一方、約100人ほどの日本人は東京・文京区民センター3A会議室で、中国・ドイツ・フランス合作の映画「ジョン・ラーベ 〜南京のシンドラー〜」を鑑賞した。人民日報が報じた。
上映開始30分前、会議室の前には長蛇の列ができていた。そこには、白髪の高齢者もいれば、青年もいた。鑑賞後、多くの人が、「南京大虐殺の動かぬ証拠は山ほどあり、歴史を改ざんすることはできない。日本政府が歴史を教訓とし、悲劇が二度と起こらないようにすることを願う」との声を寄せた。
「歴史を忘れることは裏切り行為」
「当時の旧日本軍は本当にたくさん悪いことをし、それは数え切れないほど。ほんとに残酷」。 80を過ぎた鉄本さん(女性)は鑑賞後、一緒に来た友人に怒りを込めた感想を語っていた。
朝鮮半島で生まれた鉄本さんは第二次世界大戦中、まだ幼かったものの、当時旧日本軍が行った悪行は、一生忘れられないほど印象深いものだったという。鉄本さんは取材に対して、「『ジョン・ラーベ〜南京のシンドラー〜』の上映は本当に意義がある。日本人みんなに見てもらいたい。南京大虐殺を含む残虐な悪行の動かぬ証拠は山ほどある。中国だけでなく、日本も南京大虐殺の犠牲者を追悼するべき。戦争を忘れないのは、平和を守るため」と語った。
「ジョン・ラーベ〜南京のシンドラー〜」を見るために神奈川県から電車に1時間半乗って駆け付けたという稲田さんは、「歴史を忘れることは裏切り行為。自分はごく普通の日本人だが、歴史にとても興味がある」とし、一部の日本人が侵略戦争を否定していることに怒りを表し、「南京大虐殺は80年前に起きたことだが、永遠に忘れてはならない。歴史を教訓にしてこそ、未来を切り開くことができる」と語った。
二人の子供の父親である稲田さんは、「現在、日本で政権を握っている政党が憲法第9条を改正しようとしているのはとても恐ろしいこと」と懸念を示し、「日本政府が歴史の痛ましい教訓をくみ取ることを願っている。子供たちに悲惨な戦争を経験させてはならない」と語った。
歴史を銘記することは、憎しみを抱き続けるということではなく、それを戒めとするということだ。「『ジョン・ラーベ〜南京のシンドラー〜』を見るのは、本を10年読むことに勝っている」。そう語る東京に住む女性・吉野さんは、かなり前もって会場に到着していた。60過ぎの吉野さんは、「以前は『南京大虐殺』という言葉を聞いたことがあるだけで、それが一体どんなことなのかは全然知らなかった。それで、『ジョン・ラーベ 〜南京のシンドラー〜』が上映されるというのを聞いて、すぐに参加を申し込んだ。同作品はとてもいい映画。当時の南京大虐殺の真相を知ってもらえるよう、周りの親戚や友人に見るようすすめたい。歴史から教訓をくみ取り、悲劇が二度と起こらないようにしてほしい」と語った。
「ジョン・ラーベ 〜南京のシンドラー〜」の上映時間は134分もの長さであったものの、途中退席する人は一人もおらず、全てのシーンを見逃さないようにと、皆がスクリーンにくぎ付けになっていた。そして、鑑賞後、多くの人が、「日本のもっと多くの映画館でこれを上映してほしい」、「南京大虐殺は本当に残酷」、「一人でも多くの日本の若者に、この歴史を知ってもらいたい」と、次々に感想を語った。
この映画の上映会では、写真や文字で南京大虐殺に関する歴史を説明した16ページの資料が来場者に配られた。また、上映終了後、南京大虐殺を研究している植松青児さんが自身の研究成果を紹介し、「多くの日本の右翼が南京大虐殺の存在を否定しているが、確かに起こったことで、その動かぬ証拠は山ほどある。日本の資料にも大量の記載がある。『ジョン・ラーベ〜南京のシンドラー〜』の上映を通して、一人でも多くの日本人に南京大虐殺を含む日本の侵略戦争の歴史を知ってもらいたい」と語った。