【記憶を守り、平和を求める】
森氏は「加害国という歴史の事実に対して、日本の学生はまずショックを受ける。特に731部隊が中国人を使い生体実験をしていたことなどについては、自分たちの祖父の世代がこれほど非人道的な残虐行為をしていたとは信じられない」と指摘した。
森氏は学生に対して、これこそが戦争であり、戦争は人を人ではなくすると教える。当時の社会環境に置かれ、さらに「天皇の神権は天から授かったものであり、そのために命を捧げることを惜しまない。これは男子にとって唯一の美徳、この上なき栄誉だ」という軍国主義教育が加われば、人間らしさを失った日本人になるというのだ。
歴史を鑑とする現実的な意義について、森氏は「教育と社会環境は恐ろしく、メディアもそうだ。この3つが歪められれば、歴史は再演される可能性がある。若い世代にとっても例外ではない。そのため我々は戦争に反対し、再び戦争に向かう道を選んではならない」と話した。
山口大学名誉教授、歴史学者の纐纈厚氏は「歴史は過去の政治、政治は現在の歴史」という説を引用し、「現代人は過去の政治から経験と教訓を汲み取ることで、初めて平和な未来を切り拓く知恵と勇気を手にすることができる。歴史の真相を直視しようとしない国と個人は、現実がもたらす不安と怖れを受け入れなければならない」と指摘した。
「歴史に関心がないとは、自分に関心がないということだ。平和で安定的な未来によって初めて自己の価値を実現でき、未来の無限の可能性を手にすることができる」
「次の世代にこのような観点を何度も伝えることが、私たち研究者、政治家、あるいはメディアの責任と義務だ」
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2017年12月17日