ユネスコ改革は南京大虐殺文書が原因? 中国の専門家は否定

ユネスコ改革は南京大虐殺文書が原因? 中国の専門家は否定。

タグ:世界 記憶 遺産 南京大虐殺 文書

発信時間:2018-01-04 10:13:42 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 3日付産経新聞は消息筋の話として、国連教育科学文化機関(ユネスコ)が「世界の記憶(記憶遺産)」の包括的見直しに向け、2018年に「行動計画」を策定することになったと伝えた。記事によると、これは「南京大虐殺文書」が登録された後、ユネスコが政争の場と化しているのを正すためであり、政府がユネスコの改革に積極的に参与し影響力を発揮していくという。

 

 産経新聞によると、アズレ事務局長(フランス出身)が新たに就任すると、改革の推進を主張した。改革では、世界記憶遺産の登録審査プロセスをより透明化し、加盟国間の対立を防ぐことが重点とななり、今年4月に提出される見通し。ユネスコ執行委員会は昨年10月、世界記憶遺産は「政治的緊張を回避」すべきとした。新たな登録審査制度は2019年より実施される予定で、改革案が明らかになる前に新たな申請を受け付けないという。韓国は今年4月、ユネスコ執行委員会の議長国となった。日本は6つの副議長国の一つ。政府は新任の事務局長の改革案を支持し、積極的に力を発揮しようとしている。

 

 産経新聞は、ユネスコの改革は2015年に中国の南京大虐殺文書が登録されたことと直接関連しているとした。「南京大虐殺の存在と根拠には問題があり、十分な議論を踏まえずに登録された」昨年は中韓の民間団体などが申請した慰安婦関係資料をめぐり、日本が政治利用になると懸念を表明。結局、審査延期が決まった。また記事によると、ユネスコの改革は世界記憶遺産の「正常化」を促すものであり、ボコバ前事務局長は「親中派」だった。ユネスコは米国の離脱により危機に瀕しており、アズレ事務局長の改革は信頼回復を目指すものだという。

 

 中国社会科学院日本研究所の盧昊研究員は3日、環球時報に対して「日本右翼メディアはユネスコの改革と南京大虐殺文書を結びつけ、世論を煽り、事実をあいまいにさせようとしている。南京大虐殺には確固たる証拠が山ほどあり、いわゆる事実の根拠に疑問が残るとは荒唐無稽だ。南京大虐殺の登録成功は、日本右翼勢力・歴史修正主義者を苦しめ続けている。そこで彼らは中国側の登録に向けた行動、ユネスコの当時の決定を徹底的にイメージダウンさせ、かつ今後の歴史問題申請の壁を設けようとしている」と指摘した。

 

 盧氏は「中韓などの国が南京大虐殺文書、慰安婦資料の登録を申請するのは、真実の歴史を世界に示し、後世の人々に平和と人道を惜しんでもらうためだ。日本右翼は狭隘なナショナリズムと邪な心理により、これを歴史問題の政治利用と歪曲している。さらに極端な主観主義により、ユネスコの改革をこれらの登録申請活動の否定と定義している。事実にも理屈にも合っておらず、良識のかけらもない」と話した。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年1月4日

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