日本の安倍晋三首相は22日に国会で、平和憲法改正など内政・外交の重大問題に関わる施政方針演説を行った。安倍首相は憲法9条の早期改正に向け、各党に具体的改憲案の提出を求め、衆参両院審査会で議論を進めることを望むとした。現在日本国内では新安保法と改憲に反対の声が強く、安倍首相による改憲の見通しは極めて不透明だとアナリストは指摘する。
日本の野党と市民は憲法9条改正という安倍政権の試みを深く憂慮し続けている。共同通信が1月中旬に実施した世論調査では、憲法9条に自衛隊の存在を明記する安倍首相の試みに反対は52.7%、安倍首相在任中の改憲に反対は54.8%だった。
「憲法9条を守って」「憲法9条改正に反対」……22日昼頃、雪の舞う国会上空に大きな声が響き渡った。国土交通省は21日に「不要不急の外出は避けるよう」国民に求めた。それでも各地の民衆約600人が風雪と厳しい寒さをおして国会近くでの集会に参加した。野党議員複数も会場で民衆を応援し、民衆と共に団結して平和憲法を守り、安倍政権の憲法9条改正を阻止する考えを表明した。
日本共産党の志位和夫委員長は、平和憲法9条に自衛隊を盛り込むことを国民は決して望んでおらず、改憲を急ぐ安倍首相が自らの「タイムテーブル」を国民に押しつけるものだとした。東京大学の内山融教授は、安倍首相は年内の改憲発議を急いでいるが、時間的に慌ただしく、議論が不十分な中では「強行改憲」との野党の批判を招きやすいとした。
いつ改憲を発議しても、安倍政権が直面する牽制要因は多いとアナリストは指摘する。1つには、来年4月の天皇退位前の改憲発議は政治的混乱を引き起こす危険性がある。もう1つには、来年夏の参院選後、改憲勢力が国会議席の3分の2以上を維持できる保証はないと見られ、改憲は難度を増す。
今回の演説で安倍首相は朝鮮問題もことさらにあげつらい、日本は戦後最も厳しい安全保障情勢に直面しており、防衛力及び日米同盟の抑止力を強化するとした。防衛力強化については、陸上配備型迎撃ミサイルシステム「イージス・アショア」の導入などを列挙。年末に見直す「防衛計画の大綱」については、「真に必要な防衛力」を見定めるとした。最近日本は中国牽制のため周辺諸国及び英豪など「準同盟国」を抱き込み安保協力を強化する動きが大変顕著だと指摘される。(編集NA)
「人民網日本語版」2018年1月23日