従業員の価値は年齢で決まらない
インターネット企業が高齢者スタッフの価値に目をつけたのは、まず高齢化社会が到来したためである。また、従業員の価値は年齢で決まらないと認識したためでもある。
多くの雇用者が、高齢者スタッフは貴重な資源であり、ビジネス財産になると気がついた。さらに、伝統的なビジネス規律にも合っている。これは他国に先例がある。
日本の化粧品メーカーのポーラの販売チームには多くの高齢の従業員がいる。83歳の杉山美代子さんは、その商品をよく理解し、きちんと説明できなければ、自分の責任を全うできず、顧客からも信頼が得られないと考えている。
杉山美代子さんのデータバンクは彼女の頭の中にある。彼女は顧客の好み、年齢、健康状態、購入習慣を把握している。
ポーラには杉山さんのような「美容マネージャー」が約5万人いる。彼女たちは独立した企業主で、委託販売契約を結び訪問販売を行い、主な顧客である主婦たちと長期的に親しい関係にある。約5万人の美容マネージャーのうち約5000人が70代、約2500人が80代、約250人が90代。杉山さんは、「必要としてくれるお客さんがいる限り、退職しない」と話す。
インターネット時代、個人の特性に差が出ている。才能がないことより、長所がないことの方が心配である。多くの高齢者がインターネットで世間の考えを覆し、自分の特性と能力で独特な価値を発揮している。
淘宝網には自分の職業を生かして人気店の店主になった高齢者も多くいる。例えば、北京で科学研究の仕事を退職した人が石鹸を自作し、品質の良さで人気を集めた。
インターネットで活躍する高齢者スタッフは今後増えて行くだろう。社会の注意を引くには年齢だけでなく、そのグループの働く権利と労働の保護も重要になる。
広場舞にしても科学研究にしても、熱意と経験が財産を生み、このような財産の蓄積はインターネット企業に重視される。インターネット時代は高齢者に多くの選択肢を与え、選択権を握らせた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年5月5日