現地時間10日昼、李克強総理は東京で日本の安倍晋三首相と共に、中日平和友好条約締結40周年記念活動、李克強総理訪日歓迎レセプションに出席し、講演した。その要旨は下記の通り。
今年は中日平和友好条約締結40周年だ。中日関係は40年に渡り、平凡ならざる道を歩み、多くの成果を積み重ねたが、紆余曲折を経た。条約は「中日共同声明」の各種原則を法的に確認した。これには日本側が戦争責任を深く反省し、一つの中国という原則を堅持する重要な姿勢が含まれる。また中日両国の恒久の友好を明確に宣言し、中日関係の政治的基礎と法的規範を確立し、正しい方向を示した。
中日の4つの政治文書は、中日関係の健全は発展がしっかり堅持すべき指針と準則だ。双方が4つの政治文書を終始守り、共に向き合い歩み寄ることができれば、中日関係は長期的に安定するだろう。
今回の訪問中、私は日本側の指導者と過去の経験と教訓を振り返り総括した上で、中日関係を正常な軌道に戻し、長期的かつ健全で安定的な発展を実現するという目標を推進するため、一連の重要な共通認識を形成した。政治面で、我々は歴史を鑑とし未来を見据え、ハイレベル交流を維持し、両国の各分野の対話・協力メカニズムを全面的に回復し、政治的相互信頼を促進し矛盾と食い違いを適切に処理することで合意した。経済面で、我々は両国の発展と国民生活の改善を着眼点とし、中日の実務的な協力を新たな段階に引き上げ、互恵とウィンウィンをより良く実現することで合意した。人文面で、我々は交流をさらに強化し、国民間の心の距離を縮め、民意の基盤を固め、中日関係発展を促す積極的な力を拡大することで合意した。
中日関係の改善と発展は、新たなチャンスを迎えている。双方は積極的に行動し、両国関係改善・発展の新たな措置を打ち出し続け、両国民及び国際社会の中日関係に対する期待と自信を強めるべきだ。
――歴史を銘記し、深い教訓を汲み取る。相互信頼を元とし、双方の共通認識を全力で守り、政治的基礎を固める。相手国の発展をチャンスとし、互いに脅威とならない理念を、具体的な政策と行動に変える。
――発展戦略を結びつけ、実務的な協力を掘り下げる。発想と手段の革新に取り組み、相互補完を発揮し、重点分野の協力を掘り下げ、中日の実務的協力の新空間を切り開き、両国民に福をもたらす。
――民間交流を強化し、子々孫々の友好を促進する。平和友好条約締約40周年と両国が前後して五輪を開催する契機を利用し、各分野の人文交流を広く展開し、国民間の心のつながりを強める。
――責任を果たし、共に時代の使命を担う。中日は世界の主要経済体であるが、保護主義・一国主義の台頭の傾向を見据え、共に多国間貿易体制を守り、貿易及び投資の自由化・円滑化を推進し、世界経済の得難い好転の局面を維持する責任を持つ。
中日の間には広い共通の利益が存在する。重要な近隣として、条約の精神を遵守し平和・友好の大方向を貫き、長期的な視野・勇気・知恵を持つことができれば、中日両国の平和・友好・協力の船の再出発を促すことができる。それはまた長期的かつ安定的な航行であり、中日関係の新たな未来を共に切り開くことができる。
安倍首相は式辞の中で「日中平和友好条約締結40周年を心より祝う。両国の古い世代の政治家は40年前に長期的な視野と知恵を示し、日中平和友好条約を締結した。その第一条は、両国間の恒久の平和・友好関係の発展だ。条約は羅針盤のように、我々がさまざまな困難を乗り切り、絶えず前進するようけん引している。李克強総理の今回の訪問は、両国関係を再び正常な軌道に戻し、新たなスタートラインから再出発させた。日中関係が再び帆を張り出港するに際し、双方は競争を協調に変え、今日より協調の時代を始める責任を持つ。双方が手をつなぎ共に進めば、乗り越えられない困難は存在しない」と述べた。
中日両国の政界、経済界、民間友好関係者ら2000人弱が出席した。
王毅氏、何立峰氏が活動に出席した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年5月10日