ロシアとの北方領土問題の解決は、日本政府の宿願となっているが、現在も実現されていない。日本政府は11日、領土問題で再びロシアに抗議した。日露が領有権を主張している北方四島(ロシア名・南クリル諸島)で、ロシアが光ファイバー敷設工事を行うことが原因だ。日本側はロシアのこの措置について「悪質」であり、「法的根拠がない」としている。
RIAノーボスチは11日、ロシアが10日よりオホーツク海の海底から南クリル諸島に向け光ファイバー敷設工事を行い、サハリン島と南クリル諸島を連結しようとしていると伝えた。この工事は今年10月中旬まで続くとみられ、中国のファーウェイも参加する。ロシアのこの措置に、日本政府が不満を募らせている。時事通信は11日、日本政府が本件についてロシア当局に抗議したと報じた。菅義偉官房長官は同日「法的根拠のない占拠の下、このような事業を進めることは北方領土問題に対するわが国の立場と相いれず、極めて遺憾だ。外交ルートを通じロシアと中国に立場を表し、抗議した。北方領土問題の解決は極めて重要だ。政府はロシアと引き続き、北方四島の領有権問題と、平和条約締結問題をめぐり協議を進める。中国側に抗議したのは、中国企業が工事に加わっているからだ」と述べた。
日本の過敏な反応に、ロシアも大きな不満を募らせている。ロシア連邦院(上院)の関係者は「南クリル諸島はロシアの領土だ。わが国の領土では自由に行動できる。日本側の発言は、内政の需要によるものだ。日本の当局者は経済的な角度から、いかにロシアと友好関係を構築し互恵を実現すべきかを考えるべきであり、この関係を破壊するべきではない」と述べた。ロシアメディアは「ロシア側は6月5日の時点で、日本側に光ファイバー敷設工事の関連情報を通知していた」と伝えた。
ロシア極東のカムチャツカ半島と日本の北海道の間にある歯舞・色丹・国後・択捉の四島は、ロシアから南クリル諸島と、日本から北方四島と呼ばれている。第二次大戦後、四島はロシア側に実効支配されている。ロシアは、日本による返還要求は敗戦の結果の再定義に当たるとしている。深刻な係争により、両国は現在も平和条約を締結していない。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年6月12日