米国初の艦載無人給油機MQ-25スティングレイのデザインが決まらぬなか、米国は待っていられないとばかりに同機向けに空母を改造しようとしている。米Aviation Week誌(電子版)は25日、同機を艦載できるよう、空母「ジョージ・ワシントン」を改造する指示が米海軍に出ると伝えた。慣例によると、同空母は大規模な修理後、日本の横須賀に戻り長期駐留する。MQ-25の配備を急ぐのは、中国が狙いとされている。
同誌によると、米国で可決された2019年度国防授権法案は、海軍は大規模修理中の「ジョージ・ワシントン」の改造を行い、MQ-25の作戦能力を早期実現すべきと強調した。ある議員の秘書はメディアに「交付が終われば、海軍はMQ-25を太平洋地域に優先的に配備するだろう。米軍で唯一前線に配備されている空母(ジョージ・ワシントンのこと)にとって、初の艦載無人給油機の配備は非常に必要だ」と話した。
報道によると、大規模な修理を終えた「ジョージ・ワシントン」は、太平洋の前線に配備される。環球時報のインタビューに応じた中国の専門家は、同空母が横須賀の「古巣」に戻る可能性が高いと表明した。「ジョージ・ワシントン」は1992年に就役し、2008年に「キティホーク」と任務交代するため米海軍第7艦隊に編入された。その母港は当時より横須賀基地であり、米国で唯一海外を母港とする空母だ。同艦は2015年になって初めて米国本土に戻り、大規模な修理に向けた準備に入った。2017年8月には正式に造船所に入り、4年間の修理を開始した。
「ジョージ・ワシントン」は修理後、横須賀に戻る可能性が高い。そのため西太平洋、特に中国に近い海域は、MQ-25が最も早く配備される、特に注目される地域になる。これは実際に、MQ-25の開発目的でもある。米海軍協会のウェブサイトは以前、MQ-25は1万5000ポンドの燃料を空母から約500カイリ離れた空域に届け、味方の軍機の攻撃半径を400カイリ拡大できると伝えていた。米空母の主力艦載戦闘機のF/A-18E/Fの作戦半径は450カイリのみで、MQ-25により作戦半径が倍増することになる。
専門家は、米国がMQ-25の西太平洋地域への派遣を急いでいることには、解放軍の長距離攻撃能力に対応する現実的な考えがあると判断した。中国海軍・空軍の通常攻撃能力はすでに米空母の安全を強く脅かしている。特に対艦弾道ミサイルのDF-21D、DF-26の射程距離は、米空母のF-35Cや和F/A-18E/Fの作戦半径を大幅に上回っている。複数の米シンクタンクは、戦時中に「ジョージ・ワシントン」を大陸から1000キロの範囲内で活動させれば、その生存能力が危ぶまれると判断している。また米海軍の既存の給油機はステルス能力を持たないため、空中給油は妨害されやすい。MQ-25による給油があれば、米空母の艦載機は少なくとも、大多数の解放軍戦闘機の作戦半径を上回ることができる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年7月27日