『日本新華僑報』によると、7月に西日本で豪雨災害が発生して約1カ月が経過した。今回の豪雨は広範囲に深刻な被害をもたらし、これまでに200人以上が死亡、10人以上が行方不明になった。多くの被災地で住宅が土石流や浸水の被害にあい、3598棟の家屋が全壊し、4000人以上が現在も避難所で生活している。
台風が通過し洪水が引いた後、被災地は連日の猛暑に見舞われ、被災者は大きなダメージを受けている。
日本政府はこのほど、2018年10月末まで、豪雨の被災者の医療費を免除するという新支援策を打ち出した。健康保険証を紛失しても、医療サービスを無料で受けられる。
医療費を支払う機関が費用を確認するため、通常は病院または診療所に行くと、精算前に健康保険証を提示する必要がある。「医療費は自分で払うのに、誰に費用を確認するのか」と疑問に思う人もいるが、患者が自己負担しているのは医療費の一部に過ぎない。
日本では病院に行くと、年齢や所得に応じて、医療費の1~3割が自己負担となる。残りの7~9割は協会けんぽや国民健康保険などの健康保険制度で支払われる。
そのため、健康保険制度に基づき、病院と診療所は患者の健康保険証を確認し、患者と健康保険制度からそれぞれ医療費を徴収する。また、健康保険制度が負担する医療費は、社会保険診療報酬支払基金または国民健康保険団体連合会などを通して徴収する。一般的に、患者が健康保険証を持っていない場合は全額自己負担となる。
西日本の豪雨のような大きな災害の場合、避難時に自分の生命の安全を優先し、現金や健康保険証のような物を持って出る余裕などない。このような状況を考慮し、日本政府は災害後の一定期間において、現金と健康保険証がない被災者が無料で医療サービスを受けられるようにした。
近年、日本を訪れる中国人観光客は増加し、留学や仕事で日本に滞在する人も多い。西日本の豪雨災害では、現地に滞在する華人も被災した。
日本政府が今回打ち出した政策は10月末まで医療費を免除するというもので、被災地の華人も対象となる。被災地にいる華人は、体調が悪くなり病院に行く場合、日本人と同様に健康保険証と現金がなくても現地の医療機関で診察を受けることができる。
この支援措置は被災地の華人やその他の地域にいる在日華人から高く評価されている。岡山県在住の張さんは、「今回の豪雨で岡山は深刻な被害を受けたが、幸い家族は無事だった。しかし、被災地の生活環境は今も悪く、豪雨の後に猛暑が続き、病気になりやすくなっている。医療費免除という支援措置は被災地にとって非常に助かる」と述べた。
山口県の山口大学に留学する王さんは、「山口大学がある地域はそれほど被害が大きくなかったが、日本は自然災害が多い国である。今後どのような災害が発生するかわからない。今回、厚生労働省は私たち中国人も対象とした支援措置を打ち出し、安心感が高まった」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年8月3日