翁長雄志知事の「最後の抵抗」 冲縄の反米軍基地運動のリーダー

翁長雄志知事の「最後の抵抗」 冲縄の反米軍基地運動のリーダー。日本冲縄県名護市辺野古地区への米軍基地新設に反対する現地の市民団体は7月31日、冲縄県の翁長雄志知事が8月11日に開催される反基地集会に参加すると宣言した…

タグ:沖縄 翁長雄志 基地 米軍

発信時間:2018-08-03 11:00:01 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 日本冲縄県名護市辺野古地区への米軍基地新設に反対する現地の市民団体は7月31日、冲縄県の翁長雄志知事が8月11日に開催される反基地集会に参加すると宣言した。これに先立つ7月27日、翁長知事は、前知事が基地建設に出した承認を県として撤回すると宣言したばかりだ。


 翁長知事は、基地に反対する沖縄の人々のリーダーだ。だがこの反基地運動のリーダーの率いた闘争は最後の関門に差し掛かっている。しばらく前に膵臓(すいぞう)がんの手術を受け、今年12月に知事としての任期を満了する翁長知事にとって承認撤回は「最後の賭け」と見られている。


 基地反対揺るがず


 辺野古地区は、日米両国政府が決めた在沖米軍普天間基地の移転先だ。冲縄県宜野湾市の普天間基地は、住宅地に隣接し、現地の住民に騒音や深刻な安全リスクをもたらしていることから、批判が高かった。だがこの移転計画に対しては、冲縄の人々は強烈な反対を示し、この基地が冲縄以外へと移設されることを求めてきた。


 2014年11月、新基地建設に反対する翁長氏が冲縄県知事に当選した。翁長知事は就任後、前知事による米軍基地新設のための辺野古地区の埋め立て承認に法律上の不備があったとして、この承認を取り消すと宣言した。基地建設にストップをかけ、選挙での約束を守ろうとする姿は各界からの支持を受け、翁長知事は反基地陣営のリーダー的存在となった。


 日本政府は、翁長知事が承認取り消しを撤回するようにとの国の支持に応じないとして提訴。さまざまな曲折に富んだ司法闘争を経て、最高裁は2016年末、承認取り消しの决定は違法との判断を下し、翁長知事と冲縄県は敗訴した。政府は勝訴わずか1週間後、現地の反対を押し切って新基地建設を再開。辺野古新基地の埋め立てに向けた護岸工事はほぼ完了し、まもなく埋め立て作業が始まろうとしている。


 今年7月17日、冲縄県は、防衛省冲縄防衛局に文書を提出し、辺野古付近の海域の一部地層は脆弱だと警告し、同局が環境保護面での約束を果たしていないと非難、進行中の作業をただちに停止するよう求めた。冲縄防衛局がこれに取り合わなかったことから、翁長知事は27日、前知事が与えた辺野古埋め立て作業の承認を撤回と宣言した。前回敗訴した「取り消し」とは異なり、翁長知事が今回取ったのは「撤回」の手続き。承認後の状況に変化があったとの論法だ。


 冲縄は9月、名護市など8市町村の地方議会選挙を迎える。11月には冲縄県知事選もある。今年2月に行われた知事選の「前哨戦」とされた名護市市長選挙では、翁長知事が支持する反基地陣営の候補者が、政府の支持する候補者に敗れ、反基地運動は大きな打撃を受けていた。


 アナリストによると、基地建設の続行で「現実受け入れやむなし」とのムードが高まっている上、反基地陣営の内部でも矛盾が深まっている。さらに埋め立て作業が一旦始まれば、これを逆行させるのは難しい。このため翁長知事ら反基地派にとっては、今回の承認撤回が最後の戦いの手段となる。この「切り札」を出すことで、反基地勢力を再び結集し、不利な局面を打開し、まもなくやって来る一連の選挙に向けて弾みをつけることもできる。


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