第二次世界大戦の戦犯を祀る靖国神社は長期にわたり外交の渦中にあり、論争が絶えない。
今年8月15日の日本敗戦記念日を前に、靖国神社が再び話題になっている。日本の共同通信社は7日、自民党元幹事長の古賀誠氏が6日、第二次世界大戦時の日本の戦犯に対して「廃祀」とすべきだと発言したと報道。古賀氏は過去にも何度かこのような提案をしたが、保守勢力に拒否されていた。『日本経済新聞』は、『中日平和友好条約』調印40周年という背景下で、中日の政界と民間は両国関係の回復に取り組んでいるが、歴史問題は依然として両国間の大きな溝になっていると論じた。
古賀氏は、「(A級戦犯の)合祀が宮司の一存でできたなら、廃祀も一存でできるのではないか。そういう環境を期待したい」と述べ、A級戦犯を合祀から外せば、天皇や首相は靖国神社を参拝でき、現在のように深刻な政治と外交の問題にならないと主張。
日本の『産経新聞』によると、協調主義を貫く古賀氏は理性的な態度で歴史問題を処理すべきだと主張し、靖国神社は日本の戦犯に対して「廃祀」とすべきだと提案したが、国内の保守派から反対されてきた。古賀氏は日本遺族会(日本兵の遺族からなる全国的な団体)会長を務めたことがあり、1978年にA級戦犯が靖国神社に祀られてから、天皇は参拝をやめ、この現状を変えれば全国民が尊重する平和の象徴になると考えている。しかし、靖国神社は古賀氏の提案を拒否し、右翼派の政治家とネットユーザーはSNSで「裏切り者」「老人呆け」と批判し、アジアの隣国と友好関係を維持するために「腰を曲げて妥協している」と称している。自民党のベテラン政治家である古賀氏は中日関係の発展に努め、中日の歴史問題における矛盾の解消を主張してきた。
日本メディアは、日本と隣国、特に中国との間には多くの歴史問題が存在するが、『中日平和友好条約』調印40周年をきっかけに、中日の官民は両国関係の回復を推し進めていると論じた。日本の時事通信社は、日本側は中日首脳会談の早期実現、朝鮮無核化および日本人拉致問題などにおける中国との協力強化のため、安倍首相は今年も靖国神社を参拝しない考えだと伝えた。今月上旬、河野太郎外相はシンガポールで中国の王毅外交部長と会談し、日本側は両国関係の改善、両国首脳の相互訪問の早期実現を望んでいるとし、中日の「一帯一路」をめぐる協力の具体化を表明した。
中国社会科学院日本所の盧昊副研究員は7日、記者に対して次のように述べた。多くの要因がある中で、中日関係は好転のチャンスに面するが、中日間に多くの敏感な問題がある点にも目を向けるべきである。複雑な歴史の根源と利益、認識のずれなどがある。靖国神社をはじめとする歴史問題は中日関係の安定した発展を妨げ、中日間の本当の和解、平和の主な障害になっている。靖国神社は侵略戦争で重責を担ったA級戦犯を祀り、日本国内の保守右翼派は参拝を騒ぎ立て、日本の「尊厳」を守るよう主張している。これは、日本が侵略の歴史をしっかりと反省し、軍国主義と境界線を画すことからかなりかけ離れていることを示す。中日間の歴史問題における「認識のずれ」は大きく、この問題を徐々に解決するには中日の有識者が共に努力する必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年8月8日