対中関係「安定」を目指す日本、現実的な原因を読み解く

対中関係「安定」を目指す日本、現実的な原因を読み解く。

タグ:外交 利益 現実主義

発信時間:2018-09-08 09:00:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 長年の紆余曲折を経て、中日関係がついに改善の契機を迎えた。世界2・3位の経済大国である中日関係の健全かつ安定的な発展が、北東アジアや国際社会にとって極めて重要であることは疑いようもない。日本の対中政策の調整は、今回の関係改善の理由の一つだ。そのためここでは日本の過去10年間の外交、特に対中外交について簡単に振り返る必要がある。


 日本の現実主義的外交の誤算


 現実主義は日本の外交において不変の基準だ。世界の主要大国のうち、利益に敏感で細かく計算することで、日本の右に出る国はない。欧米諸国は外交で自由・民主・人権といったいわゆる「普遍的な価値観」の影響を受けるが、戦後日本の外交は長期的にこれらの価値観を重視しておらず、利益がその最も中心的な考えとなっている。例えば日本は1992年になりようやく「民主化の促進」などを「政府開発援助(ODA)大綱」に書き入れた。援助先も本当に援助を必要としているアフリカ諸国ではなく、主に日本の重要な投資先である東南アジア諸国となった。日本は1970年代になりようやく中国と関係の進展を実現した。


 利益最大化を目標とする日本が利益を独り占めしようとする場合、他国と共有することはなく、勢力範囲という概念を非常に重視する。例えば日本は長期的に東南アジアを裏庭とし、その他の国が同地域と正常な関係を発展させると、日本の警戒を引き起こすことになる。情勢に変化が生じ、客観的に見て利益を独り占めできなくなった場合のみ、日本の政策が「協力・ウィンウィン」に転じる。


 中日関係は長年に渡り紆余曲折を経てきたが、それも日本のこの現実主義と深いつながりを持つ。長年に渡る膠着状態を釣魚島(日本名・尖閣諸島)問題や歴史問題だけのせいにし、全体的な問題の原因を一部の要素とするならば偏りがある。安倍氏は2012年にいわゆる「地球儀を俯瞰する外交」を掲げ、世界の抱き込めるすべての国(中東、ASEAN、さらには韓国やロシアなどが含まれる)を抱き込み「統一戦線」を形成し、これにより中国に「勢力」で勝とうとした。利益に極めて敏感な安倍政権が、日本一国のみで「対中統一戦線」を形成できると考えるはずがない。当時のオバマ政権の「アジア太平洋リバランス」は、日本が外交の攻勢をかけるための重要な後ろ盾であり、「戦略的外交」をリバランスと結びつけ米国の対中政策を利用し、自国の外交の目的を達成する。これは日本の現実主義の現れだ。

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