対中関係「安定」を目指す日本、現実的な原因を読み解く

対中関係「安定」を目指す日本、現実的な原因を読み解く。

タグ:外交 利益 現実主義

発信時間:2018-09-08 09:00:00 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 米国の政策との一致を求めるため、近年の日本の外交はいわゆる自由・民主・人権などの価値観を度々掲げている。しかし日本は心からこれらの価値観を主張しているのではなく、これらの旗印により米国との一致を強調し、中国が「異質」であることを浮き彫りにし、戦略的な目的を達成しようとした。つまり中日関係の長期的な膠着は、日本の「戦略的外交」と密接に関わっている。


 しかし日本の現実主義的な外交には、2つの大きな誤算があった。まずは中国が提案した「一帯一路」(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)とアジアインフラ投資銀行(AIIB)の登場だ。関連諸国のインフラ水準を高めると同時に、大きな市場を生み出した。日本のそれまでの「戦略的外交」は決して元手のかからない商売ではなかった。一帯一路を拒否したことで日本企業の利益が損なわれ、経済界から批判の声があがり、日本国内の各方面が利益の計算をし直した。これは日本政府内で対中関係改善の議論が生じた背景でもある。次に、米国の政策の変化だ。リバランスは本質的に、同盟国を「対中リバランス」の最前線に置くが、これは日米の戦略が合致するための基礎となっていた。トランプ政権は発足後、中国への基本的な態度を変えていないが、同盟国と細かい計算をしている。特に貿易や防衛費などの問題で「米国ファースト」を貫いている。これにより米国の戦略と深く結びつく日本の「戦略的外交」が、最も重要な後ろ盾を失った。


 2つの誤算が重なり、日本は利益の見直しを強いられた。現在の国際的な大構造において、日本は利益を独り占めできないばかりか、むしろ利益を失うことを意識した。そこで「理性的」に協力・ウィンウィンを選択し、中日関係が好転のチャンスを手にすることになった。


 「安定」を「改善」の発端に


 現在の日本の対中政策の変化を促した根本的な理由は、現実主義に基づく利益だ。日本の政界とメディアは中日関係を改善すべきと再三称しているが、改善のために必要なのは政策と理念で相手国と向き合うことだ。少なくとも現在、日本は依然として「インド太平洋戦略」の推進を続けている。先ほど発表した防衛白書の中でも中国への「警戒」を緩めていない。そのため日本側の態度は「安定的な中日関係」の実現に留まっており、真の改善の段階には入っていない。

 

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