課題が山積
日本メディアの報道によると、安倍氏は10月1日頃の自民党執行部と内閣の改組を検討している。新内閣は次の任期に、内政と外交の数多くの課題に直面する。
朝日新聞の選挙前の世論調査によると、日本国民の今回の自民党総裁選への関心は、主に社会保障、財政再建などの経済・国民生活に集中していた。しかし安倍氏本人の発言を見ると、今後の政権運営の重心は改憲・外交・軍事・安保などに置かれることになる。
安倍氏は選挙前、今秋の臨時国会で改憲発議を目指すと表明していた。20日に選挙結果が出ると、安倍氏は再び改憲推進の意欲を示した。
明治大学の纐纈厚特任教授は記者に「今回の勝利により安倍氏の長期政権がさらに延長される。安倍氏はさらに、平和憲法改正の宿願を叶えようとするだろう。しかし日本人の間では現在、改憲問題で意見が二極化している。自民党と連立与党を組む公明党も慎重な態度だ。安倍氏が改憲を実現するのは、依然として難しい」と指摘した。
再任を果たした安倍氏は、直ちに新たな外交日程をスタートさせる。日本メディアの報道によると、安倍氏は23日に米国で開かれる国連総会に出席し、トランプ米大統領と会談する予定だ。
アナリストは「安倍氏は外交の課題に直面している。日米関係について、トランプ氏は貿易問題などで安倍氏への圧力を強めるだろう。日露関係について、ロシアのプーチン大統領は急きょ、年末までに前提条件抜きで露日平和条約を締結すると提案し、日本側の不意をついた。また半島問題について、日本は対朝政策の膠着により疎んじられており、安倍氏も国内で批判にさらされている」と述べた。
日本のエコノミスト、田代秀敏氏は記者に「安倍氏は対露・対米外交で壁にぶつかっており、その外交の天秤は中国側に傾斜している。日中は一帯一路(シルクロード経済ベルト、21世紀海上シルクロード)枠組み内の協力で大きな潜在力を秘めている。両国の協力強化は、地域の繁栄と安定を促す」と話した。
纐纈氏は「今や日中は切っても切れない関係で、多くの日本人が対中友好関係の維持に積極的な意向を持っている。しかし日本政府は外交などの問題で過度に米国に依存しており、歴史問題への態度も引き続き日中関係の長期的な発展を左右する」と指摘した。再任を果たした安倍氏が、いかにより独立した対中平和外交政策を形成し、中日関係の改善を促していくかが、重要な課題となる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年9月21日