侵華日軍南京大屠殺遭難同胞紀念館(南京大虐殺紀念館)が4日に発表した情報によると、国家追悼日を前にし94歳の生存者2人が亡くなった。統計データによると、今年はすでに20人の生存者がこの世を去った。
3日未明、1924年生まれの南京大虐殺生存者、陳広順さんが亡くなった。享年94歳。陳さんが暮らしていた湯山西崗頭村は南京城から遠く離れていたが、この静かな村も虐殺を免れなかった。1938年の春節、当時わずか14歳だった陳さんは自宅で山芋を煮ていたところを日本兵に見つかり、村の小学校の校庭に連れ去られた。陳さんはそこで、村人たちが日本軍の機関銃掃射で惨殺されるのを目にした。陳さんは隙を見て山の密林に逃げ、一命を取りとめた。自ら目撃した戦争の罪を世界に知らしめるため、陳さんは2005年に日本の証言活動に参加し、日本軍が当時犯した暴行を訴えた。
2日未明、陳さんと同年齢の南京大虐殺生存者、趙金華さんが亡くなった。日本軍が南京を占領した当時、趙さんはまだ少女だった。彼女は親戚が日本兵に連れ去られ、強姦されてから川に突き落とされるのを目にした。尻の半分が刀で切り落とされていた。彼女の父は日本兵に娘を引き渡すのを拒否し殺された。趙さんはその後、髪を短く切り少年のふりをし、母と共に江北浦口の農村に逃れ生き延びた。
南京大虐殺生存者はこの歴史の生きた証人であるが、時間の流れと共に生存者が減少している。統計データによると、登録されている生存者はすでに100人を切っている。
「我々は南京大虐殺生存者の調査を続けているが、全体的に見ると増える数は亡くなる数を大きく下回っている。我々は彼らの証言の保存を急ぐほか、彼らに対するケアを強める必要がある」記念館の張建軍館長によると、12月13日に正式に施行される「南京市国家追悼保障条例」は、市・区人民政府は南京大虐殺生存者に生活支援を行う、社会各界が各種手段により生存者をケアすることを奨励すると明確に規定している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年12月5日