安倍氏の訪露、「領土返還」の勝算はあるか?

安倍氏の訪露、「領土返還」の勝算はあるか?。日本の河野太郎外相による先週の訪露に続き、安倍晋三首相も21日に羽田空港を出発した。スイスでダボス会議に出席する前にロシアを訪問する…

タグ:ロシア 北方四島 日露両国 主権

発信時間:2019-01-22 15:30:05 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 日本の河野太郎外相による先週の訪露に続き、安倍晋三首相も21日に羽田空港を出発した。スイスでダボス会議に出席する前にロシアを訪問する。共同通信の21日の報道によると、安倍氏は22日にモスクワでロシアのプーチン大統領と、日露平和条約締結の問題について会談を開く。日露の領土問題をめぐる協議は最近、注目を集めている。両国首脳が今回の会談で進展を実現できるかが注目されている。


 時事通信の21日の報道によると、22日の会談は両首脳にとって25回目の会談だ。日本を離れる前の安倍氏は重苦しい様子で、21日に官邸で開かれた記者会見では「領土交渉は戦後残されてきた課題であり、決して容易なものではない。プーチン氏と胸襟を開いて話し合い、平和条約交渉をできるだけ進展させたい」と述べた。また安倍氏は今回の訪問により、日露の係争中の島における「共同経済活動」を引き続き推進し、かつ極東経済開発に参加することで日露経済・安全協力を強化し、ロシア側からの支持を得ようとしている。


 共同通信は21日に政府筋の話として、安倍氏が二島(色丹・歯舞)先行返還後に日露平和条約を締結することで、領土問題を解消することを検討中と伝えた。安倍氏は、ロシアが北方四島(ロシア名・南クリル諸島)を自国領と見なしており、択捉島と国後島の返還を求めれば交渉が失敗する可能性が高いと考えている。ロシアに1956年の「日ソ共同宣言」に明記されている色丹島と歯舞島の返還を求めても、実現は困難と見られる。これは事実上、日本が国後島と択捉島を含む四島の権利に対する主張の放棄を意味する。日本国内でも、この方針により日本は最終的に択捉島と国後島を放棄し、国益が損なわれるようになるという批判がある。また報道によると、安倍氏は色丹・歯舞を先行返還させ、それから残りの二島の返還を求めるという方針の実現性について悲観を強めている。政府高官は、プーチン氏がこの構想に合意するはずがないと判断している。


 北方領土の主権問題をめぐり、日露両国間には重大な食い違いが存在している。日本メディアによると、日露首脳は昨年11月にシンガポールで開催された東アジアサミットの会期中、日ソ共同宣言に基づき両国の平和条約の交渉を加速することで合意した。国際情勢に大きな変化が生じるなか、両国には関係改善の構想が存在する。今年に入り、安倍氏は領土問題を解決する決意を重ねて表明している。しかし河野氏は先週の訪露で、安倍氏に「朗報」をもたらさなかった。ロシア側の領土問題に関する立場は日増しに強硬になっており、政府も民間も自国領を放棄することはないと強く示している。プーチン氏は、露日は平和条約の締結を優先的に推進し、それから領土問題を解決するべきと強調している。ロシア側がある形式により二島を「返還」したとしても、日本側に主権を譲り渡すことはないという見方もある。安倍氏とプーチン氏の交渉は難航が予想される。


 21日付露イズベスチア紙は、東京大学露日関係専門家のジェームズ・ ブラウン氏の発言を引用し、今回の露日首脳会談では重大な成果が得られないと伝えた。安倍氏は領土問題の解決を推進しようと急いでいるが、ロシアは急いでおらず、かつ二島返還によりロシア社会における日本の印象が悪化する。拓殖大学海外事業研究所の名越健郎教授も、現在は日本とロシアが領土問題の交渉を行う有利なタイミングではなく、平和条約を締結する必要性もないと述べた。安倍氏が平和条約の締結を急ぐのは、単に自らの政権のレガシーを残すためだ。安倍氏の任期は残すところ3年のみとなっている。また安倍氏が領土問題の解決を推進するのは、ロシアの力を借りて米国との関係のバランスを整えるためという観点もある。情報によると、戦後日本の歴代首相のうち、安倍氏は領土問題解決を最も強く願っている。安倍氏は今月6日、山口県で父の安倍晋太郎元外相の墓参りをし、「何が何でも(日露平和条約締結で)進展を手にし、終止符を打つため全力を尽くす」と誓いを立てた。


 イタルタス通信の21日の報道によると、ロシアのペスコフ大統領報道官は同日、ロシア側は日本との平和条約締結に向けた交渉を加速するため力を尽くしたいと表明した。しかし日本政府は現在まで、ロシアとの平和条約の締結を交換条件に二島を手にする意向を正式に伝えていない。露日両国はいずれも、平和条約の締結のため国益を犠牲にするつもりはない。両国は平和条約締結について具体案を示していない。


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年1月22日

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