日本が次世代スパコン計画を始動 世界最速を目指す

日本が次世代スパコン計画を始動 世界最速を目指す。

タグ:国産スーパーコンピュータ計画

発信時間:2019-02-27 14:34:34 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 『日本経済新聞』は2月26日、日本が次世代の国産スーパーコンピュータ計画をスタートさせると伝えた。これは2019年8月に稼働停止する国産スパコン「京」の後続機で、新機種は2019年に建造を開始し、早くて2021年度に稼働する。


 スパコン「京」は2012年に理化学研究所(理研)が神戸市で運用を開始。計算速度は当時、世界一だったが、のちに中国のスパコンなどに超えられた。次世代スパコンは「ポスト京」と称され、理研と富士通が開発する。日本でスパコンの更新は約10年ぶりとなる。


 「ポスト京」はシミュレーション(使用コンピュータ再現実験など)時の計算速度は京の100倍に達し、材料開発や自然現象分析などを推進する「計算科学」のコアとなる。ビッグデータ分析と人工知能(AI)を組み合わせ、「ポスト京」は「データ科学」を越えた新領域を開拓する。


 理研革新知能統合研究センターの上田修功副主任は、「高性能のコンピュータを通して人工データを無限に形成できる」と強調する。


 とは、シミュレーション技術によって形成された実在しない仮想データを指す。通常、現実の実験データなどを大量に収集して分析する。しかし、「ポスト京」の開発に参与する東京大学の加藤千幸教授は、「ポスト京のシミュレーションは存在しなかったデータを生成する強力な道具になる」と話す。


 人工データを通して仮想データを大量に生成し、AIで学習・分析すれば、新しい知識を得ることができる。米国のアップルやグーグルなどの「GAFA」によるデータ独占が問題視される中、人工データは強力な対抗手段になると見られる。


 薬品開発の分野への応用も期待される。例えば、がん治療などにおいて、たんぱく質と組み合わせる候補物質を探すことができる。これらの物質を探る場合、京が1週間で分析できる物質の限界は100種だが、ポスト京は数万種で、研究速度は100倍になる。そのほか、高機能性材料の開発でも威力を発揮する。


 ポスト京は大量のデータ収集が困難な自然災害の研究においても活躍が期待される。地震発生頻度が低ければ、事前予測に役立つデータが少ない。ポスト京で巨大地震を再現できれば、震源プレートの状態や断層のずれなどのデータを生成し、予測の正確性を高めることができる。また、大勢の移動を分析し、混雑回避や避難誘導などに役立つ。


 スパコンは日本の産業競争力を高める重要な役割も担っている。自動車や航空機の開発において、ポスト京は実際の機械を代用して実験などを行い、開発周期とコストを大幅に削減できる。


「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年2月27日

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