まず、日本経済は金融重視、実体軽視という状態で、公共施設の建設は忘れられている。日本の調査によると、2033年までに国内数十万本の道路橋、トンネル、水門が「50年の寿命」を迎え、その比率は60%前後になる。現在の技術で考えると、2033年度までの維持管理費と更新費は4兆6000億から5兆5000億円に上る。これに土地使用料、補修費、災害修復費は含まれない。多くの地方自治体と関係部門がこの部分の予算を計上していない。
次に、地方と中央の財政が巨大な圧力に直面する。高度経済成長期と異なり、現在の日本経済は低成長またはゼロ成長に陥り、中央も地方も資金が不足している。日本の大部分のインフラは主に地方が維持管理するが、地方自治体の70%以上が「慢性的な財政難」に陥っており、地方自治体の約60%が現在の予算規模では修繕できないと考えている。
さらに、人員と技術の面でも困難に直面している。高齢化と少子化が深刻化するにつれ、日本の人口も減少し、うち大都市圏以外の地域はさらに深刻な状態となっている。多くの地方自治体の土木建設部門は職員と技術能力が不足し、検査の質も保証が難しいため、負担に耐えられないと感じている。
この問題を解決するため、安倍政権は「3カ年緊急対策」を実施し、2020年度までにインフラの改造と強化に3兆円を拠出することを決めた。世界範囲で見ると、インフラの老朽化は日本だけの問題ではない。米国は1930年代にニューディール政策として土木建設を大々的に行い、80年代後期にインフラの老朽化が深刻化し、米国経済と国民の生活に大きな影響を与え、「荒廃した米国」とまで言われた。
改革開放以降、中国もインフラ建設を盛んに行い、日本と比べてその規模はさらに大きく、集中している。また、一部のプロジェクトは質やメンテナンスなどの面が不足している。数年後、中国の多くのインフラがメンテナンス時期を迎え、その問題は日本より際立つ可能性がある。中国の経済成長が高速から中速に変わるにつれ、財政収入の増加も減速すると見られる。私たちは日本のインフラ老朽化問題の解決の経験に注目し、教訓を汲み取り、この問題に備えて早めに計画、準備する必要がある。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年3月17日