復旦大学国際問題研究院はこのほど、中日関係年間報告書発表会を開き、同研究院日本研究センターが作成した『中日関係2018:正常な軌道に戻り徐々に前進』報告書を発表した。同報告書の要旨は下記の通り。
中日関係は正常な軌道に戻り、冷戦後で2回目の重大な調整期を迎えた。国際情勢が日増しに複雑になり変化が激しくなり、人類がより大きな課題に直面するなか、中日関係の積極的な変化には重大な意義がある。中日の間には多くの構造的な問題が残されており、特に米国からの圧力が強まっているが、両国関係の持続的な改善に期待できる。
中日経済関係について
2018年は中日経済関係の転換点だった。日本企業は昨年「一帯一路」イニシアチブをめぐり、第3国における協力に積極的に参与すると表明した。これは中日経済関係に新たなチャンスを提供した。中日関係は長期的に「政冷経熱」とされてきた。良好な経済関係は歴史や安全保障の問題で揺らぐ中日関係を安定させるため、大きな力を発揮している。この意義から論じるならば、2018年は長期に渡り比較的良好だった経済関係の延長線上で発展したと言える。
2019年の中日経済関係については、中米貿易戦争の影響を真剣に検討する必要がある。再出発を果たした中日経済貿易関係はすでに幸先の良いスタートを切った。双方は今年、より多くの協力の空間と分野に期待すべきだ。
(一)両国の政治関係がさらに上の段階にあがり、中日双方の経済貿易関係の発展により良い環境を作る可能性がある。2017年より中日関係は持続的に改善されている。現状を見ると、中日の良好な雰囲気はなおも続いている。双方にとって、中日関係のさらなる改善と発展は両国の利益に合致する。
(二)両国の経済貿易関係が安定的な発展を維持するが、米国の対中貿易戦争により、双方の経済貿易協力が一部の課題に直面する。トランプ氏は米国の大統領に就任すると、中国に対する態度を二転三転させている。特に中国に貿易戦争を発動し、追加関税の導入を続け、中国の対米貿易及び中日貿易に悪影響を生んでいる。中米は現在、貿易などについて交渉を進めている。これが成功しても失敗しても、既存の世界産業チェーンに影響を生む。重要な一環である日本企業はこれに応じた調整を強いられる。当然ながら中国は世界で最も潜在力の高い巨大市場であり、日本企業が手放すことはない。中日政治関係が持続的に好転しており、両国の経済貿易関係の安定的な発展の維持に期待できる。未来の中日貿易は着実に発展し続け、双方向の投資が拡大する。
(三)中日は地域経済協力で非常に高い将来性を持つ。トランプ氏は一国主義、米国ファーストの政策を推進し、中国のみならず日本に対しても大きな圧力を生んでいる。経済グローバル化の受益者である中日両国は、保護貿易主義と脱グローバル化に共同対処する上で、多くの共通の利益を持つ。特に地域経済協力について、中日はいっそう協力を強化するべきだ。日本がけん引するCPTPPが発効し、署名済みの日本・EU経済連携協定(EPA)は世界最大の自由貿易区を作る。中日が参加するRCEPも積極的に推進中で、両国は早期合意を目指している。中国の対外開放拡大も揺るぎない姿勢で進められており、中日韓FTAの交渉も積極的に推進中だ。そのため中日両国は地域経済協力で非常に高い将来性を持ち、双方は意思疎通と連携を強化するべきだ。中日両国は今年、地域経済協力で新たな進展を実現するだろう。
今年は中日両国の経済貿易協力の将来性に非常に期待できる。双方の貿易が新たな段階にあがる可能性が非常に高い。政治関係が持続的に好転する環境の下、中日両国は非常に高い発展の将来性を持つはずだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年3月19日