日本共同通信の24日の記事によると、日本の外務省は外交ルートを通じて中国政府に対し、中国の海洋調査船「嘉庚」が沖ノ鳥島沖の排他的経済水域(EEZ)内で無断で海洋調査を実施したことに抗議した。日本が称する「沖ノ鳥島」は実際には「沖ノ鳥礁」で、日本は島とすることでEEZと大陸棚延長を主張している。ところが中国はこれを認めたことがなく、関連する国際機関からの支持もない。「嘉庚」の科学者は環球時報の記者に、日本側からの妨害について説明した。
共同通信の記事によると、海上保安部の航空機は23日午後0時半ごろ、「沖ノ鳥島沖のEEZ」にて、中国の海洋調査船「嘉庚」がロープのようなものを海中に垂らして航行しているのを発見した。海保からの活動停止の呼びかけに対して、「嘉庚」は「海水の温度を調査中」と回答した。報道によると、外務省は「無断での海洋調査は受け入れられない」と外交ルートを通じて中国政府に申し入れた。
環球時報の記者は24日夜、「嘉庚」による今回の海洋調査に参加していた科学者と連絡をとった。この匿名の科学者によると、本件は23日昼過ぎに発生した。「嘉庚」は関連海域で正常な海洋海洋調査作業を実施していたが、急に海保の航空機が上空に現れ無線で呼びかけを受けた。その後、日本側の海洋巡視船から注意信号を受けた。記者の調べによると、船内の科学者と作業員はその他の不合理な扱いを受けなかった。この匿名の科学者によると、「嘉庚」の今回の海洋調査任務はすべてが正常であり、本件による影響を受けていないという。
共同通信によると、「沖ノ鳥島」沖では2016年3月と2018年12月にも、日本側の許可なく海洋調査を実施している中国の海洋調査船が見つかっていた。中国外交部の陸慷報道官は今年1月2日、「国連海洋法条約」によると沖ノ鳥礁には島としての基本的な要件が備わっていないと述べた。つまり日本は勝手に島と称し、一方的にいわゆるEEZと大陸棚の延長を主張しているが、中国側はこれを認めたことがない。
沖ノ鳥礁は数枚の岩でできており、満潮時にはほぼ全没する。日本側は沖ノ鳥礁を島と主張し、これに基づき47万平方キロのEEZと約25万5000平方キロの領海外大陸棚を主張している。また1987年より護岸工事を開始し、コンクリート壁などを作った。大陸棚限界委員会は2012年、日本の沖ノ鳥礁に基づく領海外大陸棚の申請を拒否した。
環球時報の記者はかつて、国家海洋局が実施した海洋調査プロジェクトの任務を取材した。国内の海洋調査船は出発前に航路と具体的な停泊・作業エリアを細かく決めておく。情報によると、「嘉庚」は厦門大学所属で、中国が建造し独自の知的財産権を持つ多機能海洋調査船だ。同船は2016年5月に広州市で正式に進水し、2017年に正式に使用されてから、多くの海洋調査任務を遂行している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年3月25日