中国人観光客が東京の銀座で「爆買い」するというニュースが数年前に話題になったが、最近は多くの中国人が日本特有のサービスや体験を求めるようになっている。中でも、医療サービスが注目を集めている。
日日向上国際株式会社の李鑫副社長は、「近年、多くの患者が日本で医療サービスと健康診断を受けている。これは日本の多くの病院が外国人の患者を意欲的に受け入れ、診察の条件を緩和しているためである。例えば、中末期のがん患者を多く受け入れている」と話す。外務省の統計によると、日本政府は2011年に医療ビザを設置し、同年の医療ビザ発給件数は70件に達した。2018年は1650件で、うち84%が中国の患者に発給された。
観光ビザで日本に入国する外国人旅行者も医療サービスを受けられるが、長期治療または3カ月以上の手術治療を受ける場合は医療ビザを取得しなければいけない。国内の診察者の増加が見込めないため、東京にある美容整形外科の自由が丘クリニックは7年前から国際知名度の向上に取り組んだ。古山院長によると、2010年、同院は外国人患者をほとんど受け入れていなかったが、2018年に中国大陸からの患者は1200人を超えた。
中国の富裕層は大都市の混雑するトップクラスの病院より、海外で優れた医療サービスを受けたいと思っている。多くの中国の患者は、日本の医療とサービスの質に一番の魅力を感じている。イギリス誌『The Lancet』は2018年初め、2010~14年の71の国と地域の患者3750万人の統計をまとめた報告を掲載し、日本の肺がんと食道がんの患者の5年生存率は世界最高だと論じた。
李鑫氏は、日本のがんスクリーニングのシステムと正確さは中国人患者を引きつける主な要因だと話す。そのほか、医療スタッフの親切な対応も魅力である。李鑫氏は、「日本の看護士は立てない患者と膝をついて話をすることがある。患者は中国では想像できないと驚く」と述べた。
海外、特に日韓での整形手術は中国の富裕層にとってある種のステータスシンボルになっている。韓国は中国の整形旅行者の主な目的地だが、ここ数年は韓国の整形手術の失敗ケースや医療事故がメディアに暴露され、多くの患者が日本に流れている。
良いものは安くない。日本で、国家医療保障システムが適用される患者は治療費の30%を負担すればいいが、外国人は全額負担となる。李鑫氏は、「外国の患者の医療費は通常、日本人の全額に2~3倍」だと話す。言葉の壁があるため、日本で治療を受ける多くの外国人が仲介会社の交通、通訳、付き添いの費用を含む「全て込み」のサービスを選び、治療費は高くなる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年5月17日