米国のトランプ大統領は日本を国賓訪問中、セレモニーの雰囲気を醸し出した。「日差しが麗らかなゴルフ場、Wバーガー、相撲観戦の貴賓席、ディナーの焼き鳥。これはトランプ氏の最良のグローバルパートナーになろうとする、日本の安倍晋三首相による仕掛けの一部だ」米CNNは26日、トランプ氏の2日目の訪日をこのようにまとめた。トランプ氏は同日夜、ツイッターで安倍氏からの招待に謝意を示し、「嬉しいことばかりだ」と投稿した。巨大な米大統領杯、たくましい日本の力士、安倍氏と握手し笑みを浮かべる写真を合わせると、一部メディアによる「米日の新たな蜜月」という説を黙認しているかのようだ。トランプ氏は今回の訪問で、日本の優勝力士に初めて杯を贈った米大統領になった。また初めて日本の新天皇と会談する外国首脳になり、さらに日本の軍艦に乗艦する。25日付ワシントン・ポストは「しかしこのすべてが象徴的なものであることは間違いない。また両国が重大な貿易協定に署名する可能性は低い。しかし米日首脳は今回のシャッターチャンスを逃さず、両国民に日米同盟の重要性を認識させた」と論じた。「環球時報」が伝えた。
トランプ氏は26日にツイッターで「我々と日本の通商交渉には大きな進展があった。農業と牛肉が重要な力を発揮する……大きな数字になるだろう!」と投稿した。
黒竜江省社会科学院北東アジア研究所の笪志剛所長は、「米国は日本との貿易協定の早期締結を目指していたが、トランプ氏はライトハイザー米通商代表部(USTR)代表と日本の茂木経済再生担当大臣が会談で溝を埋められなかったことに失望させられた。本日の首脳会談でも重大な進展や、錦上に花を添えることはないだろう」と判断した。
AP通信は、米日首脳の個人的な友好と微笑みの裏側には、深い不安が隠されていると伝えた。トランプ氏は国家安全を理由に日本製の自動車と部品に関税をかけると脅しているが、この措置は鉄鋼・アルミ製品への関税よりも日本経済に深刻な影響を及ぼす。しかしトランプ氏は最近、自動車への関税導入を半年延期することに同意しており、安倍氏に7月の参院選を乗り切る十分な時間を与えた。
またウォール・ストリート・ジャーナルによると、トランプ氏は米軍駐留の日本側の費用分担について再び安倍氏と交渉しようとしている。これは安倍氏にとって政治的なリスクになる可能性がある。
フィナンシャル・タイムズは、今回のトランプ氏の訪日中、安倍政権は米国のファーウェイ締め出しについて、米国の政策及び立場に背くことは決してないと約束する可能性があると報じた。しかし安倍氏もこのチャンスを利用し、国の商業的利益に基づき米国のような徹底した締め出しを行わないことを説明し、トランプ氏に理解を求めることになる。「米日同盟の構造に大きな変化が生じたため、日本のこの同盟における地位が上がった。そのためトランプ氏は今回の訪日で、歴代大統領のように大きな収穫を得ることはない」
笪氏は環球時報の記者に対して、「米日関係のこの頻繁な交流は確かに異例で、日米関係が依然として他と異なることが浮き彫りになっている。しかし中米貿易戦争の膠着、米欧の食い違いの拡大などの背景を考えると、日本はトランプ氏が同盟国との関係を再構築し、婉曲的に範を示す非常に良好なチャンスであることが分かる。日本はこの機を借りて自国のグローバルな外交をアピールし、日米軍事同盟を強化すると同時に貿易の対立を弱めようとしている。米日のこの緊密な交流には各自の需要と心づもりがあると言える」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年5月27日