米国のトランプ大統領は日本を国賓訪問中だ。日本の安倍晋三首相が先月訪米し、双方は来月大阪で開かれるG20サミットでの会談を予定している。米日の首脳はなぜこれほど頻繁に顔を合わせるのだ 日本はまず、揺るぎなき日米関係をアピールすることで、虎の威を借る狐になる。次に頻繁な首脳の交流により、貿易及び地域協力で生じうる摩擦を和らげ、通商の利益の最大公約数を求める。それから日本の外交はとどのつまり「地球儀を俯瞰する外交」であり、周辺外交と経済外交もこの大きな外交の需要に合致しなければならない。対米外交は日本の外交の主軸として色あせていない。
トランプ氏は今回の訪問は実務的というよりは象徴的なものと再三強調している。主に日本の令和を祝い、、米日の堅固な同盟関係と経済協力を再確認するとしている。しかしボルトン大統領補佐官(国家安全保障担当)を先に派遣し、さらにライトハイザー通商代表を随行させていることを考えると、日米の親密ぶりをアピールするためだけに訪日するならば、それはトランプ氏のやり方とは合致しないようだ。今回の訪日には、別の中心的な目的がある。27日の米日首脳会談を見ると、米日貿易交渉、朝鮮の核問題が双方の注目の焦点になっていることが分かる。
また東京に到着した夜、米日のビジネス界関係者との夕食会に出席した時の態度を見ても、トランプ氏が高い値段を吹っかけていることが分かる。トランプ氏は何気ない様子で、米日貿易交渉が一日も早く良い結果を出すことを願うとし、日本に対米貿易黒字を削減するよう促した。またソフトバンク、トヨタ自動車、パナソニックなどの大企業の経営者と会談した際にも、対米投資のさらなる拡大を求めた。トランプ氏の意図は言葉や表情にあふれていた。しかし25日夜、ライトハイザー氏と日本の茂木敏充経済再生担当大臣の貿易交渉では合意に至らず、トランプ氏を失望させた。トランプ氏は27日の安倍氏との会談でも、貿易問題で収穫を手にすることができなかった。
トランプ氏は貿易問題で一日も早く日本を攻め落とすと同時に、外交と軍事で日本を褒め殺ししようとしている。これはまず、日本を中国に過度に接近させないためだ。次に、朝鮮やイランの核問題などで日本にさらに貢献させるためだ。北東アジアの重要問題で孤立化する日本の顔を立て、チャンスを与える。より重要なことは、自国の関連問題における駒を増やすことだ(筆者・笪志剛 黒竜江省社会科学院北東アジア研究所長、研究員)。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年5月28日