『千と千尋の神隠し』の中国語吹き替え版と日本語版が21日、国内で同時に上映される。新京報の記者はスタジオジブリの星野康二社長のインタビューを行い、上映に漕ぎ着けるまでの話を語ってもらった。
●進出のきっかけ
中国人ファンの中で最も人気の高いジブリ作品
星野社長によると、昨年12月に宮崎駿監督の名作アニメ『となりのトトロ』が上映30周年を迎え、これをきっかけとしデジタルリマスター版が中国で上映された。興行成績は1兆7300億元。ところが星野社長によると、ジブリが日本映画を中国に進出させるのは依然として難しく、中国側の取引先と過去8年に渡り推進してきたという。『千と千尋の神隠し』を選んだのは、『となりのトトロ』進出の際に中国側の提携先から意見を聞き、中国人ファンの中で最も人気の高いジブリ作品であることが分かったからだ。
●宮崎監督の最後の作品
完成まであと3年
星野社長によると、宮崎監督はここ十数年に渡り他の作品を余り鑑賞せず、テレビもほとんど見ないという。新作『君たちはどう生きるのか』の原作者は吉野元三郎。小説は1937年より雑誌『世界』で連載が始まった。15歳の少年が大卒のおじに導かれ、友情、貧富、差別、いじめ、人と社会、勇気などの人生の避けては通れない話題について模索し、「人の人としての価値」を理解しようとする話だ。
宮崎監督の最後の作品であるこの壮大な冒険物語の制作にはすでに3年かかっており、完成までにはさらに3年かかるという。これは宮崎監督の1作品2年という制作期間の慣例を破っている。星野社長によると、スタジオジブリはこの作品の時間と予算を決めていないという。宮崎監督が長所を発揮できる作品だからだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年6月20日