「日本の若手学者がより多くの中国侵略戦争の史料を掘り起こすことに期待」
明治学院大学国際平和研究所の石田隆至研究員は、『人民日報』のインタビューに応じた際に「毒ガス兵器は日本で作られ、中国の戦場で使用され、中国人に大きな被害をもたらした。これは歴史の事実であり、多くの人が知っている。今回見つかった史料は作戦に毒ガスを実際に使用した陸軍部隊の責任者によって書かれた、上司に報告するための正式な報告書だ。今回の史料は、製造―使用命令―戦場での使用―被害という毒ガス戦全体の最後の一環だ」と述べ、次のように続けた。
今回見つかった史料には非常に重要な歴史学の価値、現実的な意義がある。90年代後半、日本国内では侵略戦争を美化する強い歴史修正主義の傾向が見られた。毒ガスを製造し、使用する命令が出されたという史料が見つかっていたが、一部の日本右翼は毒ガス使用の史料が見つかっていないことを理由に、侵略戦争の歴史を全面的に否定しようと試みた。今回の松野氏が見つけた資料は旧日本軍が作成した作戦報告であり、侵略戦争を美化しようとする日本右翼の詭弁を打ち砕く決定的な歴史的意義を持つ。
明治大学の纐纈厚客員教授は、『人民日報』のインタビューに応じた際に「日本の若手学者がより多くの中国侵略戦争の史料を掘り起こすことに期待する。非常に遺憾ながら、日本国内では依然として毒ガス戦や細菌戦などの侵略の歴史を認めない人が多い。今回の史料の発見により、彼らが歴史を直視することを願う。明治大学卒で歴史を長期的に研究している学者として、歴史の真相に迫ろうとする若手学者の勇気、得られた研究成果に喜んでいる」と話した。
纐纈氏はまた、「日中友好を促進しようとするならば、侵略の歴史を隠すべきではなく、歴史を鑑とするべきだ。日本国内の多くの一般人は、政府が侵略戦争の歴史を直視し、歴史を鑑とした上で、中国との友好関係を構築することを願っている。今回の新発見をきっかけとし、多くの人が当時の歴史を真剣に学び、正しい歴史認識を形成することを願う」と表明した。
「過去の経験を忘れず将来の戒めとする。特に日本の若者は、侵略戦争を直視する勇気を持たなければならない」纐纈氏はよく祝日や休暇中に日本各地で講座を開き、日本人に中国侵略戦争の歴史を紹介している。纐纈氏は「日本各界は中国侵略などのアジア諸国の歴史を知り、正確に認識し、さらに深く反省し心から謝罪することで、中国を含むアジア諸国の人々から信頼を勝ち取ることができる」と強調した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年7月11日