日本の多くの著名人も『三体』を推薦している
ゲームデザイナーの小島秀夫氏は『三体』のファンで、5月にSNSで『三体』日本語版の見本を公開し、読む準備をすると書き込んだ。
作品を読んだ後、彼は「劉慈欣氏の『三体』を一気に読み終えた。これほど雄大で本格的なSF作品にしばらく出会っていなかった。題材は我々世代の人が触れるものだが、その歴史的背景、科学知識、文学的意味は唯一無二のSF作品で、『神狩』、『Childhood's End』、『果しなき流れの果に』を思い出した。劉慈欣氏と私は同年齢である」と書き込んだ。
『三体』日本語版の帯で、小島秀夫氏は「普遍性と、娯楽性、そして文学性の、まさに“三体”の重力バランスの絶妙なるラグランジュ点でこそ生まれた、奇跡の“超トンデモSF”だ」とコメント。
日本人監督の入江悠氏は、「驚天動地の人類史網羅SF。膨大な知識に裏づけされたこの凄まじい想像力は事件だ」とコメント。SF作家の小川一水氏も「ジェイムズ・P・ホーガンとロバート・J・ソウヤーの作品を中華鍋で炒めたよう」と評価した。
しかし以前、劉慈欣氏は動画の中で、アジアの作品の売り上げに懸念を示していた。
彼は、「自分の小説は欧州、米国、英語圏ではよく売れ、英語版と電子版は合わせて150万冊に達した。しかしおかしなことに、同じ文化背景を持つアジア地域では人気がない」と述べた。
彼は例を挙げ、韓国版の『三体』は初刷で400冊、4000冊ではなく400冊だったと明かした。日本語版は出版されていなかった。
日本で著名人以外からも支持されている
「劉慈欣氏の『三体』を図書館で予約し忘れた。もう20人待ち。やはり自分ね買おう」 「一気に読み終えた。まさに怪物のような傑作。読み終えた瞬間、続きが読みたくなった。この10年ですぐに読むべき文学作品の1つ」
『三体』日本語版の大ヒットの情報が伝わると、中国国内の多くのネットユーザーが自分の観点を書き込んだ。
「人間はやはり良いものに共感する」 「『三体』は本当に素晴らしい。第3部を読んだ後の感想を知りたい」 『三体』は劉慈欣氏が2006年から発表した長編シリーズのSF小説で、『三体』、『三体Ⅱ黒暗森林』、『三体Ⅲ死神永生』で構成され、地球の人類文明と三体文明の情報交流、生死の戦い、2つの文明の宇宙での盛衰を描いた作品。
中国国内では人気が出て十数年になり、多くのSFファンにとって名作と言える。うち第一部は劉宇昆氏が英語に翻訳し、2015年に第73回「ワールドコン」の最優秀長編小説賞を受賞した。これはアジア人初の「SF界のノーベル賞」受賞となった。
また、『三体』関連の映像化改編作品も人気を集めている。中でも2019年初め、劉慈欣氏の作品を改編した『流浪地球』が大ヒットし、ネットユーザーは『三体』の映画、ドラマの制作を待ち望んでいる。先月、『三体』ドラマのプラン通過がミニブログの人気検索ワードになった。6月26日、動画サイト「BiliBili」は『三体』アニメ化の始動を発表し、多くのネットユーザーが期待を寄せている。
『三体』ブームは日本でも沸き起こり、あるネットユーザーは、「本当に素晴らしい。求めていたのはこのような文化輸出」と書き込んだ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年7月11日