日本を認識、「軽視」と「称賛」の二極化を回避せよ

日本を認識、「軽視」と「称賛」の二極化を回避せよ。国内の世論の日本に対する認識には、「日本軽視」「日本称賛」という二極化が見られる。特にネット上では、中国人の日本への認証はネットニュース、さらには狭い友人グループの中に留まっていることが多い…

タグ:経済成長 バブル 崩壊 

発信時間:2019-07-12 14:30:10 | チャイナネット | 編集者にメールを送る

 国内の世論の日本に対する認識には、「日本軽視」「日本称賛」という二極化が見られる。特にネット上では、中国人の日本への認証はネットニュース、さらには狭い友人グループの中に留まっていることが多い。


 戦後日本は高度経済成長後、資本主義で世界2位の国としての地位を長く占めていた。「小国」である日本が経済成長の奇跡を創ることができたのは、それだけ優秀だからだ。しかし90年代にバブルが崩壊した後、経済成長が減速し、さらには停滞したことも紛れもない事実だ。そのため日本を認識するためには盲目的な「軽視」と「称賛」から脱却する必要がある。「日本軽視」の論調は日本の長所をわざと見落とし、「日本称賛」の論調は日本が直面している危機を見て見ぬふりしている。これが我々が直面している根本的な問題だ。


 日本を称賛する文章を見ると、次の共通性を確認できる。タイトルの多くが「真実の日本、息が止まるほど優秀」などとなっている。その中で紹介されている一部のデータはソースが疑わしい。例えば最近注目された記事は、日本の「研究開発費の対GDP比が世界一」としたが、そのソースを明らかにしなかった。筆者が世界銀行のデータバンクを閲覧したところ、日本の昨年のその割合は3.14%で、経済協力開発機構(OECD)などの先進国の中では先頭集団だが、その上にはさらにイスラエル(4.25%)、韓国(4.23%)、スイス(3.37%)、スウェーデン(3.25%)がある。新世紀に入ると、日本からはノーベル賞を受賞する科学者が後を絶たないが、彼らは現在の教育制度改革が日本の科学技術水準に及ぼす悪影響を最も懸念している。


 日本を全面的かつ客観的に認識するためには、ミクロに注目するほかマクロを把握するべきだ。「真実の日本、息が止まるほど優秀」とは日本を認識するための正しい手段ではない。日本の過去と現在を振り返り、未来を展望する必要もあるからだ。30年前に日本のバブル崩壊を引き起こした原因の中には日本自身のものもあるが、冷戦時代の歪んだ国際体制・構造、及び日米の非対称の権力分配がある。今日も日本が国内の問題を解決したとは言えず、同時に外部環境も依然として日本の発展の動向に影響を及ぼす重要な要素になっている。


 日本の今日は中国の明日かもしれない。盲目的に崇拝もしくは反対するべきではない。我々が日本が手にした目覚ましい成果に注目するのは、その成功経験から栄養を汲み取ろうとするからだ。日本が直面している大きな問題に注目するのは、その失敗の結果を教訓にしようとするからだ。そのため我々は日本の経済発展をより弁証的に見据え、日本が経済発展の過程で蓄積した貴重な経験を客観的に学ぶべきだ。(筆者・王広涛 復旦大学日本研究センター副研究員)


 「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年7月12日

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