国連児童基金(ユニセフ)がこのほど発表した「世界子供白書2019」(以下「白書」)によると、日本の子供の健康状況は世界トップで、死亡率、肥満率、体重不足などの指標で低水準となっている。日本の子供はなぜ良好な健康状況を維持できるのだろうか。ユニセフの専門家は、それは日本の給食制度にあると指摘した。
日本の給食制度は1889年に遡ることができる。山形県の私立忠愛小学校は学生のため無料で昼食を提供した。おにぎりと漬物は今日の基準ではやや粗末だが、当時の日本ではありふれた昼食だった。子供の栄養不足の問題を改善するため、他校もそれにならった。日本は1930年代に関連法を打ち出し、同制度の効果的な実施を保証した。戦時中は食料不足により供給が一時途絶えたが、給食制度は戦後徐々に再開された。
日本の文部科学省が2009年に発表した調査データによると、給食制度を完全実施している小学校は98.1%、中学校は76.2%。地域によって状況がやや異なるが、給食制度は一般的に幼稚園と小中学校で行われている。実施を開始した高校もある。料金は各自異なり、通常は国が一定の補助金を支給し、残りを学校と保護者が分担する。給食はこだわった内容で、栄養士が心をこめて献立を作っている。肉類と野菜がバランス良く組み合わされ、600-700キロカロリーに抑えられている。献立は毎日異なる。典型的な給食は、焼き魚、野菜サラダ、味噌汁といった内容で、牛乳や果物もつく。
日本の給食制度の目的は子供に良い物を食べさせることだけではなく、知識獲得の場を与えることにもある。献立表には栄養情報が記載されており、子供たちは食べると同時に栄養の組み合わせを学べる。これは成長後の食生活の自制を促す。
日本の小学生が給食着姿で全クラスの昼食を運ぶ写真が先ほど、SNSで話題になった。日本の学校は配膳や片付けなど一連の作業により、学生のチームワークを養う。また給食は飲食の多様化を非常に重視しており、中国の餃子、インドのカレーも食卓に上がる。さらに一部の学校は給食の時間を利用し、校長や教員が学生と共に食事する場を設ける、その心の交流を図っている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年11月2日