友好の船はすぐに転覆する?6日付オーストリア紙『Kurier』によると、オーストリアのウィーンの博物館にて、オーストリアと日本の国交樹立150周年を記念する芸術展「ジャパン・アンリミテッド」が開催中だ。ところがその展示品には日本を批判する多くの作品が含まれるため、在オーストリア日本大使館は強い不満を表し、友好事業としての認定を取り消した。
報道によると、この芸術展は9月下旬から今月24日まで開催される。在ウィーン日本大使館は、この展覧が両国の友好150周年記念事業として認定を受けていると発表していた。日本の有名アーティストの作品、長期的に日本で活躍する映画関係者など欧州のアーティストの作品が含まれる。うち2011年の福島原発事故や、日本による侵略戦争発動の内容が「やや敏感」であるとして、日本側が不満を抱いた。
芸術展で放映された、あるアーティストによる動画作品では、安倍晋三首相の格好をした人物が演説し、歴史問題について中国と韓国に謝罪し、日本が犯した戦争の罪に謝意を表する。PR動画にはさらに防護服を着た人形の芸術作品が登場するが、日本の国旗に似た赤い血の丸が描かれている。血が防護服から流れ落ち、下には血を吐いたような痕跡があり、福島原発事故をほのめかしている。またこの芸術展では昭和天皇や、戦後の日米関係を皮肉った作品も登場した。
日本大使館はオーストリアメディアに宛てた書簡の中で、「展示内容がオーストリアとの友好関係を促進するものとは判断できず、公式な認定を撤回する」と表明した。芸術展側は、この展示は敏感な政治の抗議を展示しており、展示をなおも継続すると回答した。オーストリアは本件について公式にコメントしていない。
『Kurier』によると、今回作品を展示したアーティストの一部は、日本で何度も「封殺」を受けていた。その中には多くの日本人アーティストも含まれる。しかし展示が始まるまで、日本側はこの問題に気づかなかった。共同通信によると、展示に参加したあるアーティストは「教権主義が強まる欧州と同様、日本の芸術作品に対する審査も日増しに厳しくなっていると感じる」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2019年11月7日