毎年4月の花見シーズンになると、日本の首相は「桜を見る会」を開く。各界の関係者を招待し、国の予算を使う。日本の野党はこのほど、安倍政権発足後にその費用と人数の増加が続いており、公金を使い関係者をもてなしている疑いがあるため、11日に追及チームを作り12日に正式に調査を展開すると発表した。時事通信は、野党は今回の責任追及に本腰を入れていると報じた。
桜を見る会には長い歴史がある。各分野の優秀者の労をねぎらうため、日本政府は1952年より災害などの原因により3回中止したことを除き、毎年4月に桜を見る会を定期的に開催している。首相が主催者のため、招待者は「首相身辺の人物」とされる。毎年の人員の変動は、首相の交際関係を観察する「バロメータ」となる。安倍氏は開催の目的について、「勤務に励む各界の卓越した人々を慰問するため」と述べた。またこの会は「有意義だ」とも語った。
ところが桜を見る会の支出と招待者数が近年増加していることから、野党から強い批判を浴びた。朝日新聞の12日の記事によると、8日の参院予算委員会で田村智子議員がこれを疑問視し、安倍氏が後援会の関係者に裏口を開き、後援者を公費でもてなしていると述べた。出席者の多くも会の透明性に疑問を呈し、政府に状況説明を求めた。
今年の「開催要領」によると、招待者には皇族、各国大使、衆参両院議長の他に、一部の閣僚、国会議員、都道府県知事、その他の各界の代表者が含まれ、約1万人の招待が予定されていた。ところが今春、新宿御苑で開かれた会には、実際には約1万8000人が招待された。環球時報の記者がデータを調べたところ、招待者の公式な基準は1万人前後で、歴代首相はこの規定をほぼ守っていた。ところが2013年に安倍氏が再び政権を握ると、招待者の数は毎年1000-2000人の規模で増加し、2019年になると規定の人数をはるかに上回った。官邸の関係者は朝日新聞に対して、「招待の基準はない。(会場の)新宿御苑はとても広く、何人でも呼べる」と述べた。ある議員は「出席者の多くが安倍氏の支持者で、安倍氏の実家の後援者も含まれる」と話した。
田村氏らはブログなどのSNSを調査し、出席者の多くが安倍氏の支持者であることを知り、自民党がこれらの関係者に裏口を開いていると疑った。時事通信の12日の報道によると、安倍政権は自民党所属国会議員の「出席者推薦ルート」を開設していた。野党からの責任追及を受け、関係者は個人のホームページの写真を次々と削除している。