外国メディアの報道によると、日本の首席交渉官は最近、インド抜きでのRCEP調印は考えていないと述べた。牧原秀樹経産副大臣は「RCEPにはインドが含まれなければならない。経済、政治、潜在的国家安全保障のいずれの観点からも、これは重要なことだからだ」と表明した。簡単に言えば、インドがRCEPに参加しない場合、日本も参加しないということだ。日本が突然姿勢を転換したのはなぜか。中国新聞社が伝えた。
■その動機は?
RCEPは相当苦しい交渉が7年続いているが、ひとたび順調に調印されれば多大なメリットがある。参加15か国でGDPは29兆ドル、輸出額は5兆6000億ドル、外資導入額は3700億ドルになり、ほぼいずれも世界全体の約30%を占める。
しかし、ようやく手に入れようとしている果実を、一体なぜ日本は突然放棄しようとするのか?いくつかの可能性がある。
第1に、いったん退くことで、インドをRCEPに復帰させる。
日本としては、CPTPPや日EU経済連携協定(EPA)という高水準の自由貿易協定がすでに発効している。両協定と比べるとRCEPは主たる魅力は市場の広大さにある。
13億以上の人口を擁し、経済規模も南アジア最大のインドが抜ければ、日本にとってRCEPの実質的価値はかなり下がる。
日本メディアの報道も、これを裏づけているようだ。
報道によると、日本の安倍晋三首相は数日後にインドを訪問し、モディ首相にRCEP交渉への復帰を働きかける考えだ。
第2に、アジア太平洋地域で中国の影響力を牽制し均衡を図る。参加10数カ国のうち、規模が最大なのは中国だ。日本としては、インドがいればまだ中国の影響力によるリスクを少し軽減できる。だがインドがいなくなった今では、これがうまくいかなくなった。
現時点で見ると、2番目の可能性の方が少し高い。近年、日本の対中心理は複雑で混乱したままだ。中国の市場規模のたゆまぬ拡大は、日本にチャンスをもたらした。その一方で、中国の経済規模と国際問題への影響力が高まり続けていること、特に経済規模で追い抜かれたことを、日本は緊張に感じてもいる。
中国現代国際関係研究院の劉軍紅研究員は「日本は今回突然姿勢を転換したわけではなく、以前にも同様の発言をしたことがある。地域構造から見ると、いわゆるパワー分布がパワー構造を決定する。日本はインドが参加しない構造がどのようなものなのか、中国とどのような競争になるのか、そこで主導権を握れるのかどうかを検討する必要がある。これは1つの問題を側面から反映してもいる。つまり日本は地域の主導権争奪をあきらめたことがなく、対韓輸出制限を含め、その強い重商主義が表れているということだ」と分析する。(編集NA)
「人民網日本語版」2019年12月3日